第3章 ゼルト山★1★
「なぁミネア、どっか宿屋とか知らないか?」
「潰れてなければ2軒はあったはずだけど‥‥」
俺達はミネアの後を付いていく。
「そうだユウキ、防寒用のマントとか持ってないよね?買っといた方が良いかもしれない。ゼルト山は1年中雪に覆われているからかなり寒いし」
「そうだな、吹雪いたりしたら氷結石どころじゃなくなるしな」
俺はまだいいが、ユキネやミネアの薄着では寒さは厳しいだろう。特にミネアは露出度が高いから余計にきついはずだ。俺達は宿屋に向かうついでに一軒の服屋に寄った。
「いらっしゃいませ。どの様な物をお探しですか?」
「防寒用のマントが欲しいんですけど、何かお勧めはありますか?」
「防寒用のマントですか、それですとこちらの2つですかね」
店主が見せたくれたのは1つは銀貨1枚のマント、もう1つは銀貨5枚のマントだ。鑑定で見たが素材自体は同じだが装飾が違うだけだった。余り金を持ってるようには見えないのでお買い得品を進めたのかもしれない。
「予算は気にしなくて良いのでもっと良い物はないですか?」
店主は少し驚いていたが店の奥から立派なマントを持ってきた。
「こちらが防寒用のマントでは最高級品のマントです。スノーベアーの毛皮で作られた品です。お値段もかなりお高くなっておりますが‥‥‥」
俺は鑑定でそのマントを見てみる
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最高級防寒マント
ランク:A
防寒用の素材として最高級のスノーベアーの毛皮で作られており身に付けたものを寒さから守る。
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確かに悪くない物のようだ。変に装飾されているよりも実用性がないと役にたたないからだ。
「このマント3つ欲しいんですけどありますか?」
「3つですか!あることはあるのですがお値段が‥‥」
「合計でいくらになりますか?」
「は、はい。合計で金貨6枚になります」
俺は金貨6枚を渡すと店主は驚いていた。確かに成人して間もない若造がポンと金貨6枚も払ったのだから驚いただろう。
「あ、ありがとうございます」
俺達は店を出て再度ミネアの案内で宿屋に向かった。
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「いやー驚いたな」
「凄い若者でしたね店長。まさか金貨6枚もポンと払っていくなんて」
「そうだなぁ。どこかの貴族のボンボンか有名な冒険者だろうな」
「でも店長、あの女性の色っぽかった方何処かで見たことがあるような‥‥‥」
「言われてみれば‥‥‥あれはクレメンス様のところのミネアお嬢様じゃないか!」
「そうですよ!何処かで見たと思ったらミネアお嬢様ですよ。戻って来たんですね」
いつの間にかミネアがフリーゼルトに戻っていることがばれてしまっていた。この事がミネアの両親の耳に入るのに時間は掛からなかった。しかし俺達はまだその事を知らなかった。




