第3章 フリーゼルトへ★2★
ミネアとユキネは大丈夫だろうか‥‥そんな事を考えていると部屋をノックする音がした。
「ユウキ良い?」
「あぁ」
「準備できたから早速行こう」
「氷鉄鋼あると良いですね」
食事の時は少し不機嫌だったユキネは今は普通に話している。ミネアが上手く話をつけたのだろう。
「じゃあ早速行くか」
俺はミネアとユキネの手を握り転移を使いプラムの村に行く。早速村長のルーカスの所に行く。馬車は準備出来てるようでルーカスが従者を勤めてくれるらしい。早速乗り込みフリーゼルトへ向けて出発した。
「でもどおして氷鉄鋼の素材の氷結石が採れなくなったんですかね?」
「私もわからないわ。昔フリーゼルトでは氷鉄鋼っていう珍しい素材が作られていたって話を聞いたことがあるだけだし」
「ユウキさん達はフリーゼルトに氷鉄鋼を探しに行くのですか?」
村長のルーカスは氷鉄鋼の事を知っているらしく俺達に聞いてくる。
「ルーカスさんは氷鉄鋼の事を知っているんですか?」
「私が子供の頃に聞いた昔話なのですがね、フリーゼルトにあるゼルト山では氷鉄鋼の素材の氷結石が採れていたらしいです。それでも量は少なかったみたいです。ある時沢山の氷結石がある鉱脈を見つけたようなのですが、其所にはドラゴンがいたらしくドラゴンの機嫌を損ねその鉱脈ごと塞がれたらしいのです。その時ドラゴンは2度と私の住みかを荒らすなと言ったらしく、フリーゼルトの人達はそれ以降氷結石の採取をしなくなったらしいのです」
「ドラゴンがいたんですか!それもドラゴンが話を!」
「強いドラゴンほど知能が高いと言われて一部の地方では守り神として崇められているらしいですよ。と言っても姿を見たことのある人なんて聞いたことないですけどね」
「そうなんですか‥‥‥フリーゼルトに着いたら昔の話に詳しい人を探した方が良さそうだな」
「それならメアリーおばさんが良いわよ。私に魔法を教えてくれた人で元々フリーゼルトの生き字引みたいな人だから」
「そうだな、着いたら1度会ってみるか」
まさか氷鉄鋼が作れなくなった原因がドラゴンだとは思っても見なかった。多分戦闘になれば歯が立たないだろう。何とか氷結石を手に入れることが出来れば良いんだが。そんな事を考えながら馬車に揺られフリーゼルトへ向かった。




