第3章 Sランク冒険者★14★
「このゴッドジュエルには特別な効果があるんだ。手に取って願うと女神エリスからレアスキルを1つ貰うことが出来るんだ。そのスキルは宝石に付与されて、指輪をしているときだけそのスキルの効果が得られる。スキルを貰う時だけ意識が女神エリスの所に飛ばされるけど驚かなくても良いからな」
女性達は皆驚いている。それもそうだろう。レアスキルを手に入れることが出来るアイテムがあるなんて知らなかっただろうし、いきなり女神のエリス様と会うことになるからだ。
「そんな凄い効果のある宝石なんだ。でもどんなスキルが貰えるのかな?」
「スキルはランダムらしいからもしかしたら余り実用的じゃないのもあるかもしれない。運次第だろうな」
「私は日常に役立つのがいいな。ゆ、ユウキさんと一緒に戦ったり出来ないし」
サリーは俺の事をお兄ちゃんではなく、さん付けで呼ぶのが恥ずかしいようで照れながら話す。
「私も同じです。ユウキさんの役に立つスキルが良いです」
「私は戦闘系のスキルが良いわ。ユウキと一緒に戦うには強くないといけないしね」
「私もです。ユウキさんに背中を預けて貰うためにはもっと強くならないといけませんし」
女性達が皆俺の為のスキルを望んでいることがとても嬉しかった。俺も自分の大切な人を守るのに役立つスキルが手に入れば良い。心からそう思った。
「じゃあ皆で一緒に願おうか」
俺達はスキルが欲しいと指輪に願いを込める。すると意識がなくなり目を覚ますと、またあの白い空間だった。女性達も目を覚ましたようでこの白い空間に驚いている。
「皆さん来ましたね。初めまして。私がこの世界を管理しています女神エリスです。ユウキさんから話は聞いていると思いますが、ゴッドジュエルの効果で皆さんにスキルを授けたいと思います」
「貴女が女神様‥‥‥ユウキが言ってたこと本当だったんだ」
この世界では神と言えばゼウスと誰しもが答える。まさか信仰している神が違っていたと知れば驚くだろう。
「あの世界ではまだゼウス様が神として信仰されていますけど、最近私に代わったのです。まだ知っているのはユウキさん位ですけどね」
「女神様、宜しいですか?」
ミネアは不思議に思ったことがあるらしくエリス様に質問をする。
「なぜユウキだけ知っているんですか?ユウキの話ぶりだと、会うのも初めてじゃ無さそうですし‥‥」
咄嗟に俺は心の中で、転生したことは内緒にしてくれと願った。エリス様は俺を見てウインクをするとミネアに話始める。
「ユウキさんは人間の中でも圧倒的な才能を持っていました。それこそこのまま強くなっていけば世界のバランスが崩れるほどに。だからユウキさんの人間性を確かめたくて会ったのが最初でした。実際会ってみて、ユウキさんは世界を支配したい等の野心を持っていなかったので、私の考えを話したりするために何度か此処に呼びました」
適当な話を作ってエリス様は上手く話をしてくれた。これで良いでしょ?と言わんばかりに俺を見て微笑んでいる。
「それではそろそろスキルを授けましょう。1人づつ頭の中でどんな自分になりたいか想い描いてください。何もなければ全くのランダムになりますが、想いが強いほどそれに近いスキルが得られやすくなりますので」
全くのランダムだと思っていたがエリス様が気を使ってくれたようだ。想いの強さが自分の力になる。エリス様にしては気の聞いた決め方だ。
「どなたから始めますか?」
「じゃあ私からでお願いします」
ミネアが前に出てエリス様にお願いをした。




