第3章 Sランク冒険者★9★
マサムネのお母さんにユキネに料理を教えて貰う約束をしてもらい、その後ケルト鉱山までの馬車の手配をルナさんにした。今回ルナさんでは俺が鉱山に入ってる間危険だという事でルナさんの旦那のカインさんが行ってくれることになった。カインさんは元Cランクの冒険者らしく鉱山での数日の野営位なら心配ないとのことだ。馬車の手配も済み俺達は宿屋に戻った。サリーにも新しい家を決めた事を伝えると、あの家の事は見たことがあるらしく驚いていた。その晩は翌日から依頼で数日街を出ることを伝えその日は休んだ。
翌日は朝食を済ませカインさんの所に向かった。ミネアとユキネも見送りに来ている。
「それじゃあ行ってくる。ユキネ、料理頑張れよ。ミネア、留守を頼んだぞ」
「はい、頑張って帰ってくるまでに料理スキルを覚えて見せますので」
「ユウキも怪我とか気を付けてね」
「あぁ、行ってくる」
俺は馬車に乗り込みケルト鉱山に向けて出発した。
道中カインさんはルナさんから俺の事を聞いて興味があったらしく色々聞かれたが昼食の時にアイテムボックスからストックの料理を出すと驚いていた。ルナさんはアイテムボックスの事をちゃんと秘密にしていてくれたようだ。夜はお風呂を出しカインさんと裸の付き合いをした。色々と結婚生活のレクチャー等を受けたが、女性は結婚すると変わると脅してきた。ミネアやユキネの事を「綺麗で羨ましい」等と言うので「ルナさんに言いますよ?」と冗談半分にからかうと本気で焦っていた。カインさんはどうやらルナさんに尻に敷かれているようだ。ケルト鉱山に近付くと何度か魔物にも遭遇したが特にランクも高そうではない魔物ばかりだったので順調にケルト鉱山まで来ることができた。
「ユウキさん着きましたよ。これがケルト鉱山の入り口です」
岩壁にはかなりの厚さの鉄の扉があり簡単には入れないようになっていた。鍵などは特にかかっていないようで、扉の重さが鍵の代わりをしているみたいだ。カインさんが開けようとしてくれたがびくともしない。俺が全力で押すとどうにか開く位の重さだったので、普通の魔物や冒険者等では出入りすることなど出来ないから鍵は無いようだ。
「じゃあカインさん行ってきます。幾らか食料は置いておきますので。もし1日たっても戻らないときは戻ってもらっても構いませんので」
「ユウキさん、怖いことを言わないで下さい。気を付けてくださいね」
俺は中に入り扉を閉めてライトの魔法の明かりを頼りに奥へと進んだ。辺りにはそのままにされたつるはしなどが放置されている。確かに周りの壁などを見ても鉱石らしきものは見当たらない。何度か道に迷いながら足を進めていると魔物の気配を感知した。俺はそのまま気配のする方へ進むと少し広い空間に出た。お目当てのジュエルタートルがそこにいた。俺は直ぐ様鑑定を使う。
ジュエルタートル
LV 80
種族:タートル
体力:850
魔力:287
筋力:650
耐久:1200
俊敏:75
スキル: 〔光魔法LV6〕 〔リフレクター〕※固有 〔ボディープレス〕
鑑定で見たリフレクターというスキルが魔法を反射させるのだろう。固有となっているのでジュエルタートルの甲羅があって覚えれるスキルなのだろう。見た目は巨大な亀なので予想通り俊敏はかなり低いがその分筋力は高い。更にずば抜けた耐久を持っているのでかなりてこずりそうだ。
「さて、どうしたもんかな‥‥」
俺はジュエルタートルを目の前にし道中に考えた作戦を1つずつ試していくことにした。




