第3章 Sランク冒険者★3★
「そうだユウキ、婚約の祝いとしてとっておきの依頼を出しておく。指名以来だから直接ライルから受けてくれ。かなりの難易度で危険だが、男なら一人で受けてみると良い」
「一体どんな依頼なんですか?」
「後でライルに聞いてみるんだな。因みに今まで誰も達成できてないがユウキなら出来るかもしれないと思ってな」
「わかりました」
「褒美の金貨300枚もギルドに渡しておくから貰ってくれ」
「有り難う御座います」
俺達は王宮を後にして一度ギルドに戻ってきた。褒美として金貨300枚も貰えることになったので早速家探しをしたい。ジャスティ王からの以来もまだ来ていないので俺はライルさんに相談した。
「それなりに大きな家を探すのならあそこが良いだろう」
俺はライルさんに店の場所を聞いてこの後行くことにした。ゴエモンさんはムラマサさんの所に行くとのことで、ミネアとユキネ二人と一緒に行った。向かう途中今までよりも街の女性達の視線がとても気になった。
「いらっしゃいませ!あ、貴方は噂のユウキ様では?」
「そうですけど‥‥噂って?」
「カルナディアの冒険者のユウキ様と言う方が竜王祭を優勝したと聞きまして。その方はまだお若いが黒い鎧とマントをしたイケメンの方らしいと街の女性達の間で持ちきりなんですよ」
「そ、そうなんですか。実は家を探してまして。なるべく大きいところがいいんですけど」
「お一人で住むんですか?」
「いえ、今度結婚することになりまして。後に家族も増えると思うので部屋数もそれなりにあるところがいいんですけど。」
「は、はぁ‥‥‥」
明らかに店主の女性はガッカリしていた。それとは対照的に家族が増える言ったことにミネアとユキネは喜んでいた。
「そ、それでは御予算はどれくらいで?」
「金貨300枚位でなんですけど」
「き、金貨300枚ですか!少々お待ち下さい」
店主は奥から幾つかの書類を漁っている。
「少なかったかな?」
「逆よ。ジャスティ王も言っていたでしょ。貴族のお屋敷とまではいかないがって」
店主は3つの物件の書類を持ってきた。1つはリビング以外に部屋が7つある街の中心部の物件。もう1つは街の中心部からかなり離れてはいるが部屋数が10あり庭も広い物件。そして俺が一番気になったのが街の中心部から少し離れているだけなのにリビング以外にも12部屋もあり庭もある物件だった。
「この物件だけ他の2つより条件が良くないですか?料金はどうなんですか?」
「街中の物件は金貨270枚、街の外れにあるこの物件は金貨280枚、そしてユウキ様が気になっている物件は金貨200枚になっています」
一番広いのに他の2つよりかなり値段が安いということは訳ありなのだろう。
「この物件は何かあるからこんなに安いんですね」
「は、はい。実はですね‥‥‥」
店主は気付きましたかと言わんばかりの表情で話始めた。




