第3章 Sランク冒険者★2★
「王宮には面会の予定を入れてある。そろそろ向かうぞ」
俺達はライルさんと一緒に馬車で王宮に向かった。前と同じく待合室に通され準備賀できるのを待つ。暫くすると王様の準備が出来たと言われ案内される。俺達は部屋に通されると部屋にはジャスティ王と騎士が二人、そして大臣らしき人がいる。
「良く参った、ユウキ、ミネア。この度はライルより話は聞いている。竜王祭で優勝するとは流石だユウキよ。ミネアも準優勝とは良くやった。我がカルナディアで上位を独占したこと誠に素晴らしい。ユウキは今よりSランクを名乗ることを許可する。後でギルドの方にSランクのプレートは届けておく」
「有り難う御座います」
「カルナディアから優勝者が出たのは初だからな。何か褒美を出さねばなるまいな。ユウキよ、何か欲しいものはあるか?」
「それでは金貨を頂ければ。何時までも宿暮らしと言うわけにはいきませんのでカルナディアに家を持ちたいと思いますのでその資金になればと」
「王様、これは良いことです。竜王祭優勝者のユウキ殿がカルナディアに居を構えてくれればカルナディアも安泰ですからな」
大臣らしき人は実力のある冒険者がカルナディアにいれば何かあったときに守って貰えると思っているのだろう。確かに見捨てるつもりはないが最優先は俺の妻達でその後が友人や知り合い、貴族などは後回しだ。ジャスティ王も自分の為に動いてくれるとは思っていないようで大臣の自己中な考えに少し呆れている。
「その辺の民と同じ位の家とはいくまい。それなりの家となれば金貨300枚あればよかろう。それで良いか?」
カルナディアの家の相場がわからないのでミネアの方を見ると小さく頷いていたので、俺はそれを了承した。後でミネアに聞いた話だが、貴族のお屋敷とまではいかないがそれに近い位の家を買える額だそうだ。ジャスティ王がライルさんの方を見るとライルさんは小さく頷く。
「それではユウキ達から竜王祭の話を聞くとするか。他の者は下がっていいぞ」
ジャスティ王がそう言うと初めは渋っていたが大臣らしき人と騎士達は部屋を出ていった。
「それでユウキ、魔族の事を教えてくれ」
「はい、ジャスティ王」
俺は魔神のルシフェルの事を詳しく説明した。ジャスティ王もルシフェルの事は話に聞いたことがあるらしい。
「近いうちに魔族領で何かあるかもしれないな。もし勢力図が変われば他の国に攻めてくる可能性もあるな」
「魔道具の実験のようでしたし、もしあの時間を加速する魔道具がノーリスクで使えるようになったら多分勝つことは出来ません。それだけの魔道具ですから完成は難しいと思いますが‥‥」
「そうだな。魔族領との国境には使いの騎士を常駐させているから何かあったら連絡は来るだろう。余り気にしすぎても疲れるだけだしな」
取り敢えず俺達もジャスティ王も頭の片隅には置いておくということになった。
「ジャスティ王、私事なのですがこの度婚約をしまして‥‥」
俺は女性陣との婚約の事を話した。するとジャスティ王は少し渋い顔をする。
「どうしたんですか?」
「いやな、ティアナがユウキを事ある毎に気にしていたからな。悲しむだろうなと思ってな」
「スミマセン。王族と結婚など考えてもいないので。私は庶民の出ですし、生まれもカルナディアではない。それに魔神と関わり顔まで覚えられています。そんな俺と一緒になってはいけません」
ジャスティ王もわかってはいるようだが、ジャスティ王も娘の気持ちを考えると諦めろと言いづらいようだ。俺は余り権力者と関わりたくないので婚約したと話をしてもらうようにお願いをした。




