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008 古の炎が燃え切る時


 1


 引きながら土の壁を何枚もはるアラク、しかし美しい炎は静かに壁を飲み込み、消し去っていった。

 精霊魔法、精霊の血をもつものだけがもつことができる一種の魔力属性。全魔法属性の頂点にあるが、精霊の血筋は今や数える程しかなく、貴重な魔力だ。ユオンの炎は、精霊の力をまとい、より美しく、より強く燃え上がる古より受け継がれし精霊の炎。

「僕は、人間と精霊の間に生まれたハーフなんだよ。だから僕は、妖精ははの力を使うことができる。さぁここからが勝負だ。 逃げるなよ」

「図に乗るなガキが!」

 2人の魔法がぶつかり合い、薄暗い洞窟がピカピカと光る。2人の剣がぶつかり金属音が響き渡る。俺は、ただ見ていることしかできない、役立たず、そんなもので終わる気は毛頭ない。

「守れ!攻撃を通すな!」

 アラクの黒尾棘をユオンに近づけさせないように援護する。はじき返した時、隙ができる。

「くっっっ!」

「よくやった!シンジ!」

 ユオンは一歩前に強く踏み込みアラクに豪炎をまとった剣を一振り強く入れた。アラクは炎に飲まれていった。


 2


「よっしゃっ!」

 ガッツポーズと同時に俺の周りを黒い風が包み、凄まじい衝撃波で俺は壁まで吹っ飛んだ。

「がはっ!!」

「シンジ!!!」

「今のは効いたなぁ、お前邪魔だったなぁ。おかげで左腕吹き飛んじまった。」

「やりきれないかっ」

 くそ、強く打って動けねぇ、

 アラクは俺に打ち込んだより数段上の威力の同技をユオンに打ち込み、ユオンは、神器のある祭壇まで吹き飛んだ。くらうときに自身の技を当て、威力を軽減したがそれでもなんとか立ち上がれた程度だ。力の差は歴然。

「くそっ、、、、」

 険しい表情だったユオン、しかし何かに気づき少し笑った。

「終わりだ、ユオン、」

 アラクは黒尾棘を伸ばした。

「まだ、わからないさ。」

 ユオンはそう言うと、神器を祭壇から引き抜いた。すると、白い、龍の紋章の入った剣がオレンジ色に染まっていった。

「まさかっ!」

「この神器は、空の魔剣。力を注げば」

 今までの数倍の炎がユオンを包む

「消えろ!」

 ユオンは剣をアラクに向ける

「ふざけるな」

 アラクの黒尾棘が集まり、その先に黒い光が集まる

「奥義 “死の光 デスレイ”」

「“古龍の炎 エンシェントドラゴンフレイム”」

 2つの閃光はぶつかり爆風が吹き荒れる。すた煙が晴れたときアラクは、足首から下しか、残っていなかった。

「勝った、、、、勝った、ユオンさ」

 右胸に大きな穴が空き、左手が落ちた、白き騎士が立っていた


 3


「ユオンさん!!!!!!!!!!!!!」

 ユオンはゆっくりと倒れそうになったが、剣を地面に突き立て倒れないようした。

「ユオンさん!」

「シンジ、、、、君には、、、助けてもらってばかりだった、、、」

「そんなことないです!しっかりして下さい。」

「いい、、、もう、、、もたない、、、自分でわかるさ、、、」

「そんなこと言わないで下さい。」

「せっかく、、、入隊して、、、くれたの、、、に、、、悪いな、、、、、、、そうだ、、、まだ、、、入隊祝い、、、まだ、、、だった、、、」

 ユオンは転がった自分の左腕に握られている神器を指差した。

「あれを、、、うけとれ、、、」

「そんな、うけとれません、、、」

 ユオンは優しくシンジの肩に手をあて、満面の笑みを浮かべ

「ありがとう。」

 そう言って、ユオンの時は止まった。

 涙が溢れて止まらない。前がよく見えない。

 ユオンの手を握ろうとするがさっきのダメージで気が遠くなっていく。まって、くれ、まってくれ、まっ

 深夜3時半を指すデジタル時計、月明かりが透けるカーテン、俺の部屋

「あぁ、あぁ、あぁぁぁぁぁぁあ」

 布団の中で声を押し殺して泣いた。夜が明けるまで泣いた。


 傷や、ダメージは、現実に戻っても引き継がれていた。さすがに動けず、その日は学校をやすんだ。


 眠りにつき、異世界にもどると、俺は裁判の席にいた。体の周りには何人もの魔術師が俺の動きを封じていた。あまりの急展開だか、俺は反応することができなかった。まだ、あの人の言葉が頭に響いている。あの人の笑顔が忘れられない。

「これより、国家最高裁判組織 グローリーゲートによる昨夜の、王国騎士 二番隊全滅事件の裁判を行う。準備は良いかな。 怪物 」

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