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異世界で傭兵はまったり生きたい  作者: 永久不変
第一章 始まり、小国にて。
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9

城に着く。

部屋に戻り、侍女に食事を頼む。

ぱぱっと浄化もしておく。

少し違和感があるが、気のせいだろう。


「身体は、大丈夫?」

「大丈夫だ。多分すぐに治るよ」


確証はないが。

治ってくれないと困るしな。

飯が運ばれてくる。

旨いな。

スープが体にしみる。

動いた後は飯がうまい。

米も食いたいが、贅沢というものだろう。


「そういや、ネメシアはユニーク持ってないのか?」

「ユニーク持ちの方が珍しいのよ?」

「無いとは言わないんだな」

「そうね。でも、実力はあまり表に出さないくらいがいいのよ」


はぐらかすのがお上手で。

侍女を呼び、皿を下げてもらった。

御馳走様。


「まあ、レベル3到達おめでとう」

「ん、そうだったのか?」

「何十匹も倒したのよ。レベルの一つくらいは上がるわ」

「結構上がるもんだな」


上にはどれだけあることやら。


「わかりやすく実力を数値化でもしてくれないものか」

「普通の冒険者はしてると思うわ」


なんか衝撃発言がポロっと出たような。


「できるのか?数値化」

「できるわよ?」


そんな当然のことのような顔をされても。


「なんで教えてくれなかったんだ?」

「んー、実力を見極める審美眼を鍛えるためかしら?」

「はぁ」


わからんでもなくも無い。

でもネメシアのやることだし、何かあるんだろう。

軽くこの先について話し、寝ることにする。

寝る前に一つ。


「この国、守りたいか?」


少し真剣なトーンになってしまった。

ネメシアはこちらに顔を向けることもなく、一言。


「私は、傭兵よ」



日は上る前。

空も白けていない。

いつからか夢も見なくなった。

だから、眠るときは怖いものがある。

目覚めなくなる時が来るのかと。

ネメシアは眠っている。

特に何がしたいわけでもないし、少し寝顔でも眺めていようか?

肌は少し白め。

髪は黒だけじゃなく、白も少し見える。

苦労してんのかな。

顔は童顔。

というか小っちゃいな。

こんな体で戦ってんだな。

140?150はないだろう。

小学校高学年の女の子と同じくらいじゃないか?

こうやって見れば、妹のようにも見える。

かわいいものだ。

頭を撫でようと手を伸ばすが、やっぱりやめておく。

眠っている間くらいは、安らかにしてあげよう。

ベッドから離れる。

そういえば体は軽い。

本当に一日で治ってしまうとは。

一応身体を伸ばしておく。

しっかり動く。

今日も戦えそうだ。

だが、ようやく空が白んできた頃。

起きるには少し早いくらいだ。

装備でもみていよう。

ベッドの近くに立てかけてある。

剣。

長剣になったり槍になったりしているが。

刃がかけているわけでもない。

防具。

胸当てに膝当てに肘当て。

どれも急ごしらえのものらしいが、ちょうど位の大きさだ。

魔石を入れる袋はネメシアに預けている、

特に問題もないだろう。

やることが、ほかに何かあるか?

収納スペースはあるが。

ネメシアの部屋だったわけだし、いろいろありそうだ。

だからこそ見るのはやめておこう。

昨日みたいに外でも出歩こうか?

いや、ネメシアを心配させてしまうかもしれない。

……寝るか。

ベッドに戻り、横になる。

見慣れない天井。

別に、戻りたいわけではないのだが。

思い出さないわけではない。

複雑な世界だった。

あぁ、気分が悪くなりそうだ。

目を閉じる。

全てを忘れて、眠ろう。



揺さぶられている。

誰かが俺を起こそうとしてくれているのか。

というかそんなことする人は一人しか思い浮かばんな。

体を起こす。


「おはよう、ネメシア」

「ええ、おはよう。今日は遅かったわね?」

「二度寝だ」


もう日も昇り、食事も持ってきてくれたようだ。

ありがたく頂こう。

うん、今日も旨い。

毎日早く起きて支度しなきゃいけない日々じゃないから、楽でいい。

ああ、幸せだな。

部屋にはカトラリーと食器の音が響く。

会話はない。

御馳走様。

皿を下げてもらう。


「今日も、狩りに行きますか」

「そうね」


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