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異世界で傭兵はまったり生きたい  作者: 永久不変
第一章 始まり、小国にて。
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19


コボルド狩りに戻る。

ネメシア曰く、多分このあたりにいるはず。だそうだ。

少し歩いていると、服の袖を引っ張られる。


「いるわ」

「コボルドか?」

「ええ」

「何匹?」

「数えたくなくなるほど、かしら」

「それは、使ったほうがいいか?」

「とりあえず、隠れましょう?」


まったくもってその通りだ。

近くのちょうどよさそうな木に身を隠す。


「それで、コボルドなんだけど」

「何か問題でもあったか?」

「それはもう。コボルドの巣があるのよ」

「つまり?」

「恐ろしいほどいるはずよ」

「具体的な数で頼む」

「百匹前後ね」


おいおい。

とてもじゃないが、倒せるのか、それ?


「逃げたほうがいいんじゃないか?」

「でも、倒せたらレベルアップは間違いないわね」

「いや、それはそうかもしれないけど……」


どうも好戦的だ。

まあ、それに流される俺も俺か。


「じゃあ、襲うってことで、いいわね?」

「まあ、それでいいか」


この戦いが終わったら、帰ってうまい飯を食おう。



「巣の周りに、警備が数匹いるわ。これを倒しましょう」

「わかった」

「できるだけ静かに、ね」


隠れつつ、巣のある方向に近づく。


「いたわ。二匹並んで歩いてる」

「わかった。一人一匹でいこう。他にはいないか?」

「まだ遠いわ。叫ばれなければ、気づかれないはずよ」

「よし、行こう」


相手の後ろに回り込むように、近づく。

できるだけ音をたてないように、そして姿勢を低く。

気づかれてはいけない。

敵のすぐ近くの、木の裏に隠れる。

ネメシアが小声で話しかけてくる。


「ここで、やっちゃいましょう」

「タイミングは任せる」

「わかったわ。3,2,1――」


0は言わない。

既に二人とも飛び出しているからだ。

駆け出した音は大きかったようで、コボルドはこちらに振り向こうとしている。

距離はだいぶ詰めている。

大きく前に出て、コボルドの頭をつかみ、こちら側に引き倒す!

何が起こったのかわかっていない様子で、あっさりコボルドは倒れた。

腰からナイフを取り出し、喉を搔っ切る。

これで声を出せないはずだ。

鞘に納めていた剣で、止めを刺す。

どうにかやれた。

周囲の警戒はネメシアがしてくれているだろうし、ぱぱっと魔石を剥いでおこう。

しかし、コボルドの魔石もゴブリンの物とそう変わらない。



また別の警備を追っている。

知能があるのかわからないが、どいつもこいつも二人一組で歩いている。

こちらも二人だからいいが。

今回は静かに後ろから殺すことにする。

すぐ近くまで行っても気づかない。

それにしても勘の鈍い奴らで助かる。

近づき、頭をホールドして、喉を搔っ切る。

ほっといても死ぬだろうが、しっかり止めは刺す。


「今ので何体目だ?」

「二人合わせて十六かしら」

「八組もやったのか」

「あと二組くらいね。早くやらないと気づかれるかもしれないわ」

「わかった。早くやっちまおう」



暗殺者まがいのことをして、これで十匹目。

二人合わせて二十匹殺した。


「これで大体全部か?」

「外にいたのは、ね」

「じゃあ、本格的に巣を潰すか」


と言うのはいいのだが、どうやって潰したものか?

話を聞くと、どうも地下に迷宮状の巣を張り巡らせているとか。

多分出入り口も多数あるはず、とのこと。


「入って倒すしか、無いか?」

「経験値無視していいなら、地盤の一つや二つ落としてみせるのだけど」


荒唐無稽だ、と言う所かもしれないが、あの姿になれば、簡単にできそうだ。


「でもそういうわけには、な」

「わかってるわよ」


でも、どうしようか。

出入り口の近くには、今は敵がいないらしいから、向かう。


「それで、これが入口か?」

「そうね。中に大量のコボルドがいるみたい」


入口はちょっとした坂道になっている。

それは問題ないのだが。


「この大きさ、俺、立てなくないか?」

「通路だけみたいだわ。部屋は2~3メートルくらいの高さはあるわ」

「ふむ。ネメシアが入って釣る、とかどうだ?」

「うーん……。良いと言えば良いのだけれども」


どうも一匹も逃したくないらしい。

全ての出入り口を封鎖することはできないし。


「なかに女王の役割をしているコボルドがいるはずなのよ」

「その、まあ、クイーンコボルドとでも言うべきなのがどうしたんだ?」

「魔物はその女王を守ろうと動くはずなの」

「つまり、中に入れば、女王を襲いに来たと思い、全員出てくると?」

「そのはずなのだけれども……。嫌なら、やめるわよ?」

「嫌というわけではないが」


やはり立てないのは、戦いにくいだろう。

でも、経験値がなぁ。

欲しいよなぁ。


「じゃあ、行くか」


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