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異世界で傭兵はまったり生きたい  作者: 永久不変
第二章 王都にて、勇者と。
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今日は誰も厳戒態勢だ。

町中に張り詰めた空気が漂う。

暴徒鎮圧のためか、俺とネメシアは城の外でデモ隊の観察をすることになっている。

のだが、いつになってもデモは始まらない。

昼飯もとり、監視をつづけてもまだ。

人々の流れを監視してみるが、うむ、怪しい人間がいすぎてわからない。

誰が一番の扇動者なのかわかればなにか手が打てるのだが。

御生憎様、市中の兵士は市民の味方の様でとても派手な動きなどできない。

深夜になって、ほとんどみなが寝静まったころに城に戻った。

勇者は明日来る。



今日は朝から外が騒がしい。

しかし、いつもの騒がしさとは少し違う。

勇者に対する歓喜の声。

到着するのは今日の午後のはずなのだが、この時間から騒いでいるようだ。

近所迷惑な奴らだ。

今日も市民に紛れはするが、ネメシアはその綺麗な黒髪が災いして、すぐに露見してしまいそうになる。

仕方がないので屋根の上から人を眺めることにする。

人の熱気は、じりじりと増していった。



「いた」


ネメシアがいつぞや渡した双眼鏡を覗き込みながら言う。

俺自身は望遠鏡を覗き込み確認する。

望遠鏡でも顔はわからない距離だが、間違いないだろう。

ネメシアに見てもらうと、予想より少し早いらしい。

昼飯の時間前後に来るとのことだ。

一時間ほどして、町中がにわかにうるさくなる。

確認できたのだろう。

これから面倒なことが起きそうな予感がする。



まるで凱旋のような面持ちで勇者様御一行が門を通る。

街の様子は――、あー、こんなことを前にも描写した気がするからいいか。

一つ、予想と違うことを上げるとしたら。


「我々は、悪しき為政者を倒すことに協力しよう」


などと、騎士団長様サマが言っていたことか。

どうやら、見放されたというのは嘘だったらしい。

正しく言葉を直すとすれば、裏切られたがあってるだろうよ。


今日から、俺らが悪か。



翌日から、もはやデモ隊とも呼べない彼奴らの活動が激しくなる。

早く逃げろと思うのだが、用事が済まぬと言うばかり。

今日も街を見回る。



そう、ネメシアと俺は町中を別々に見回っている。

何故こんなことを言っているか、というとだ。

酷いことがあった。

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