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異世界で傭兵はまったり生きたい  作者: 永久不変
第一章 始まり、小国にて。
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連続投稿は終わりだと言ったな。

あれは嘘だ。

「そういやこいつらの魔石は、ゴブリンよりも高いんだよな?」

「そうね。詳しい値段は忘れたのだけれど」

「頑張った甲斐があってよかったぜ」


俺にとっては強敵だった狼を倒したんだからな。

ネメシアにとっては、面倒なだけだったかもしれないが。

まあそんな強敵の相手をしたんで、一度都に戻ることにした。


「そういや、魔物が出る森がこんなに近くにあって、都は大丈夫なのか?」

「それについてはまったく問題ないはずよ」

「何でだ?」

「この魔石よ」


頭の上に?が浮かんでいるんじゃないかと思うほどだ。

本当に訳が分からんぞ!


「この魔石は、魔道具と呼ばれるものに使われるの」

「魔道具?」

「魔石を使って動く道具だと思ってくれればいいわ。

 それで、その魔道具が都に結界を張ってくれるのよ」

「その結界の中には魔物は入れない、と?」

「そういうことよ。原理はわからないのだけれども」


ずいぶん便利な道具もあるものだ。

ここで、疑問が生まれる。


「じゃあ、魔族が進行してきても、なんら問題はないんじゃないか?」

「そうだったなら、いいのだけれども」

「ダメなのか?」

「短い間に、あまりにも強い攻撃を受けるとダメらしいわ」

「万能、というわけには行かないわけか」


それでも、便利なことには変わりないな。



都に戻って、飯を食べる。

運動しているからか。飯を沢山食べてしまう。

今日もおいしかった。

御馳走様。


「森に行くか?」

「そうねー……。一度ギルドにでも寄ろうかしら?」

「何かあるのか?」

「狼だって倒せたのだし、他の魔物の相手も、と思ったのだけれども」

「なるほど。じゃあ行こうか」



この都に来た日に行ったきりのギルド。

酒と人の熱気がすごい。

むさい男どもが集まって騒いでいる。

まだ昼過ぎだぞ?

ただ、その内の、こちらを見た数人は、口を閉ざした。

絡まれないのは、楽でいいな。


「そういえば、あなたのギルドカードを作ってもらっていたのを忘れていたわ」

「そんなものがあるのか」

「あるのよ。身分証明になるから便利よ。ちょっと貰ってくるわ」

「ありがとな」


小走りで受け付けに行った。

目の錯覚かどうか知らないが、受け付けの人の顔が青ざめたように見える。

まあ、大丈夫だろう。

少し暇だし、依頼掲示板を見る。

依頼内容やら報酬やらを書いた張り紙が貼ってある。

報酬は様々。

しかし、金銭関係はネメシアに全て任せていたので、いかんせん高いのか安いのか。

魔石3つで一日生きていけるかもしれない、くらいしかわからん。

そう考えると、魔石の需要は高いみたいだ。


「おう、そこの坊主」


ごつい男に絡まれた。

筋肉隆々、上半身にはろくに防具もつけていない。

酒を飲んでいたのだろうか。

顔は赤く、息は酒臭い。


「坊主とは、私のことでしょうか?」


誠意をもって対応する。

でも聖人君子にはなれそうにない。


「そうだ、坊主。見ねえ顔だな。どこのもんだ?」

「最近ここに来たので、どこそこというのも」


いぶかしげな顔をされるが、曖昧に流す。

男の仲間か何かが近寄ってきて、男に耳打ちした。

すると、見る間に顔が青くなった。


「どうかされましたか?」


理由はなんとなくわかっているが、あえて聞く。

性格が悪い奴だな、俺は。


「い、いえ。何でもない、です」


先ほどまであれだけ威勢の良かった男が、ここまでへりくだるとは。

どれだけ恐れられているんだか。

結局その男と仲間は、その一言を残し去って行った。

まあ、どうでもいいか。

ただただ掲示板とにらめっこ。

ゴブリン狩りの依頼はなさそうだ。

そういや、この世界日本語使うんだな

平仮名も、片仮名も、漢字もある。

そう気にしてこなかったからな。

読みやすくて助かる。

それにしてもいろいろ魔物がいるもんだな。

オークに、コボルド、前倒したウルフもある。

強そうなのでいえば、オーガか。

イメージとしてはトロールに似ている。

実際どうかは知らないが。



「ごめんね、トワ。遅くなったわ」

「いや、大丈夫だ」

「そう言ってくれると助かるわ。はい、これがあなたのギルドカードよ」

「ありがと」


そういって手渡されたものは、金属光沢のある一枚の薄い小さな板。

そこにはトワという名前と、ギルドメンバーであることを保証する、というような文章が書いてあった。

これが証明になるのか。

ずいぶん信用があるもんだな。


「肌身離さず携帯しておいてね。なくすと面倒なのよ」

「おう、わかった」


モノを無くすと書類やらなんやらが面倒なんだよなぁ。

前の世界でもそうだった。


「そういえば、何かよさそうな依頼はあったかしら?」

「ん?なんだ、見てたのか」

「少しだけ、だけれどもね。あ、でも、魔物についてあまり知らないかしら?」

「いや、多分わからなくもないぞ」

「そうなの?」


随分ポピュラーな魔物ばかりだしな。

様々な本を読み漁ってた俺にはよくわかる。

ゴブリンがほとんどイメージと変わらない形だったのも大きい。


「まあある程度は、ってくらいだけど」

「だったら、説明はいらないかしら?」

「一応教えてくれると助かるかな。知らない魔物もいるかもしれん」

「ん、わかったわ」


ものすごくマイナーな魔物がいたりするかもしれない。


「それで、どんなのがいい依頼なんだ?」

「簡単に倒せて、報酬が高い依頼かしら?」

「あー、すまんが。金銭関係についてはさっぱりなんだ」

「それも、そうね。ごめんなさい」

「いや、気にしないでくれ」



なんだかんだで、コボルドを狩ることにした。

体格はゴブリンと同じほどらしいが、より獰猛らしい。

ビビらなきゃ、殺せる。

つまり俺にとっちゃ簡単な相手だ。


「それで、場所は?」

「森をもうちょっと進んだ辺りにいるんじゃないかしら?」

「じゃあ道中狩りつつ進むか」

「深追いしない程度にね」


近いうちに次も出したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございます。

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