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異世界で傭兵はまったり生きたい  作者: 永久不変
第二章 王都にて、勇者と。
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その後、ちょっと話をして決まったことがある。

パヴェールが新生エルフ国に引き取られることになった。

というのも、パヴェールの姉――かつて貴族のお宅から盗ってきた彼女が強く望んだらしい。

このことを一番惜しんだのはネメシアだった。

まるで妹のようにかわいがっていたからか、別れる際には目尻に涙が浮かんでいた。

次点を上げるならウティーゴなのだが……。

パヴェールに仕えていたと聞いていたが、如何せん表情が変わらないので雰囲気で察するほかなく、ある程度しかわからない。

個人的にはちょっと賑やかしが減った程度なのだが。

しかしパヴェールには気に入られていたのか、今も服の裾を引っ張られて帰路に発てない状態だ。


「で、パヴェールさん?自分で残るって言ったんだから離してくりゃれよ」

「や。のこる」

「そうは言うがな、やることもあるわけで。それに、安全だしここの方がいいって、な?」

「……イル」


呟きとともにパヴェールの体を飛び出した輝きが、ウティーゴとネメシアの体を通り抜けて俺の左胸に吸い込まれる。

不思議な温かさが俺の体を巡り、右胸から輝きが飛び出しパヴェールの下へと戻っていった。


「パヴェール、今のは?」

「みんなが、ぶじで、いられますようにって……おねがい、したの」


この言葉に心揺り動かされたのか、ネメシアが飛び出してパヴェールを抱きしめた。

ああ、よきかな。


「絶対に、みんなで帰ってくるわ」

「まってる、ね。……おねえ、ちゃん」


パヴェールも抱きしめかえす。

感動的なところ申し訳ないが、そろそろ帰らねばならんだろう。

後ろ髪をひかれる思いで出発する。

やることも多いのだ。

戦争のためにも。



二度目は簡単に森を抜けて王都に帰った。

魔物すらいない簡単な帰り道だった。


それで、王都に帰ってきて時間は昼過ぎほどか。

明日勇者が出発するらしい。

それで町はお祭り騒ぎ、うるさいったらありゃしない。

スーさんあたりは銃声のほうがいいとか言い出すんだろうな。

まあ、でも今日は何もすることもないし寝よう。

……すこし、部屋が広かった。

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