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異世界で傭兵はまったり生きたい  作者: 永久不変
第二章 王都にて、勇者と。
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祝・百話

いつも読んでく出さっている皆様、ありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いします。


全面戦争の宣言が出されて、変わったことがある。


「やや、スーさん。今日は元気ないね?」

「おー、トワ」


今日はいつもと違って、表情が曇っている。

案外珍しいかもしれない。


「なんかあったん?」

「んー、まー、ねー」

「もったいぶらんでもええんやで?」

「いやー、ちょっと、この国を離れることになってー……」


詳しく話を聞いたところ、どうも勇者の一部を前線に送り込むらしい。

それで、スーさん、筋肉娘、会長にパイセン、その他もろもろが選ばれたそうだ。

ちなみに俺は知らなかった情報なのだが、同時に帝国と教皇領も同時に宣戦布告をしたらしい。

あちらはあちらで、いろいろあったんだと。


「――てなわけよー。魔族狩りも悪くはないんだけどさー」

「何か不満でも?」

「前線の飯はまずそうだなーって思ってさー」

「確かに」


そんなこと、と思うかもしれないが途轍もなく重要なことである。

士気面にかぎってはこれ以上重要なことはない


「まあでも行くしかないんよなー。残念だけど、またー」

「ああ、また」


スーさんが背を向け手を振りながら城へ歩いていく途中、不意に振り返り言葉を発した。

少し、いやかなり予想外の言葉でどう受け取ればいいのかわからないのだが。


「トワー、こっち来てから少し変わった?」



戦争が始まる前の騒々しい街の中を宿に向けて歩いている途中、先ほどのスーさんの言葉について考えていた。

さっきは適当にはぐらかしておいたけど、鋭いスーさんの言うことだ。

心に不安とともにその言葉が残る。

俺は、何も変わってないだろうに。



「おかえりなさい、トワ」

「ただいま。何もなかった?」

「ええ、平和なものよ」


戦争の影響を受けてか、ネメシアの働いていた店も一時閉店しているので家にいる。

余談だが、マッサージの腕はすでにほとんど完璧になっていたらしいのでしてもらったのだが、かなり良かった。

これからもちょくちょくしてもらおうと思う。


「ウティーゴは?」

「まだね。何をしているのかしら」


ウティーゴは二日ほど前に出かけてから一度も帰ってきていない。

おかげさまで手持ち無沙汰である。


「ネメシアは何かしてた?」

「あなたから貰ったこれをしていたのだけれど、難しいわね……」


そう言って見せるのは一枚の紙。

少し前に数独を作ってネメシアにあげたんだった。

三つ作っておいたが、もう初級と中級はクリア済みか。

これ作ってあげてからまだに時間もたってないような……。


「あっ、わかったわ」


突如そう言うと、ペンを走らせ結局すべて埋めてしまった。

呑み込みの早い子だこと。


「んー、すっきりしたわ。それで、何かで遊びましょうか?」

「ポーカーでいいか?」

「いいわね。何を賭けましょうか?」

「膝枕」

「あら、負けられないわね」


おかげで、最近まじめにやるとゲームの勝率が悪くて困る。

ポーカーでなら負けないと信じたいところだ。


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