4 馬車通りで轢死?
よろしくお願いします。
仕事がない!休日だー!わーい!
マリーアンは領都へ買い物へ出かけた。誕生日が近いから。
商店でプレゼントを吟味して購入。荷物を抱えて帰宅への道。
マリーアンは大通りを渡るために、複数人と共に車道横で馬車が途絶えるのを待っていた。
この馬車が過ぎたら渡ろう、という時。
馬車が来るタイミングで、マリーアンは背中を強く押された。
べシャッと車道に転がるマリーアン。止まれない馬車がマリーアンの上を通る。
マリーアンの身体が勝手に、頭を抱えて丸まった。馬と馬車が身体の上を通る時、保護魔法が守った。
周りのギャーって声や、馬車の馭者さんの悲鳴、馬のいななき。
マリーアンの身体の上を馬車が通り過ぎると、車道横にいた親切なオジサンが、マリーアンを抱えるように道に戻した。オジサンも震えていた。
マリーアンも恐怖で声が出ない。
生きてる。
ケガもない。
でも、怖かったよー!!
投げ出されて踏まれて、グチャグチャなった荷物を近くの人が拾ってくれた。プレゼントがボロボロです。
せっかく選んで買って、ラッピングしてもらったのに。
少し先で止まった馬車の中から貴族様が出てきました。
「あ、危ないだろう!わ、私は悪くないぞ。、、、ケガはないか?」
マリーアンは頷く。
貴族の馬車が慌ただしく出発した。
近くにいたオバサンが、マリーアンに言った。
「なんで飛び出したの?自殺なんて考えちゃダメだよ」
マリーアンは突然飛び出した様に見えたらしい。
「後ろから、押されたの」
マリーアンは震える声で言った。
その場にいた皆、キョトンとしてた。
マリーアンはショックと恐怖でポロポロ泣いていた。
顔を赤くした青年が
「送っていきます」
と申し出た。荷物も持ってくれた。
茶色い髪に茶色の目の人で、服装は商人さんぽい。きちっとしている。
青年がウットリした顔でマリーアンの手を取った。荷物を持ってくれた。優しい!
こ、これは、ドキドキするし。恋の始まりってやつ?マリーアンも青年を見つめた。
「ぼ、僕はタウンゼント商会で働くジミーと申します。」
頬を染めるジミー君。
「私は、マリーアンと申します」
やっぱり商人さん。
「マリーアンさん、名前も可愛いですね。痛かったでしょう。お気の毒に。タウンゼント商会はすぐ近くです。お怪我の手当てをしましょう。プレゼントも包装し直します」ジミー君。
「まあ、ご親切に。ありがとうございます」
マリーアンは出会いを大切にしようとした。
そこへ「お送りします」と邪魔が入った。2人の手をバシッと離した。
「な、なんですか、あなたは」
ジミー君。
「マリーアン様は我が主の大切なお方。軽々しく触れてはあなたの身が危険です。あなたをお助けしているのです」
邪魔が言った。
ジミーさんは邪魔者とマリーアンを二往復見て、悲しそうにマリーアンの手を離した。
邪魔者がすごい殺気をジミー君に向けるから。
恋の始まりになるかもしれなかったのに!マリーアンは残念です。
少し歩いて、マリーアンは邪魔者の馬車に乗せられて寮の近くで降ろされた。
「不注意すぎます!保護魔法があるからと安心しすぎです!我らがどれだけあの方にお叱りを受けるとお思いですか!」
邪魔者にと叱られた。
「ゴメンナサイ。反省しました。怖かったです」
「もう一人が尾行してます」
私を突き飛ばしたヤツを追っているらしい。
あの人かなー?それとも、こっちの人かなー?
馬車を降りる時に、グチャグチャになったプレゼントを取り上げられた。
「キレイにしておきます。駄目になったものは買いなおします。部屋に届けておきます。
さっきのジミーとやらの事は報告しません。ジミーさんの身のために。
それから、あの演技は下手すぎますよ。ジミー君が可哀想です。思わせぶりはおやめください」と怒って言われた。
だって、あの人と私は釣り合わないから。他の人とお付き合いしたら忘れられるかも、って。
マリーアン・ラデウル、今日もついていません。死にかけました。
いつまでこんな事が続くのー?
スケジュール帳に記録。
「水の月25日。ラシッド通りにて。馬車の前に突き飛ばされる」
お読み頂きありがとうございました。




