17 『アレ』とは
よろしくお願いします。
「マリーアン!マリーアン!」
外から泣きそうな声で呼ばれた。
ラインハルト様の声だ。
「返事してくれ!マリーアン!」
「、、、どうして返事しないんです?」リサ。
「なんだか、外が怖い気がする。ラインハルト様は王都にいたはずよね?ルドルにいたの?」マリーアン。
「王都におられたはずです」リサ。
「こんなに早く着くはず無いから、この声は犯人の偽装なんじゃないかな?出たら殺されるとか。」
ラインハルトだとわかってるけど、引き伸ばしたいマリーアン。
「ふーん、急に疑り深くなりましたね。とにかく、この部屋は解錠でないと出れないんだから、早く出ましょうよ。暑いですし。ドアを開けて下さい」リサ。
「返事がない、間に合わなかった!、、、マリーアンがいないこの世に未練はない。天国にマリーアンがいるなら、オレも行かなければ!1人にはしない!マリーアン!オレもすぐ逝く!」
ラインハルトの悲痛な声がした。
「ギャー!います!います!無事です!」
マリーアンはドアを『解錠』した。
「マリーアン!」
ドアを空けた途端にラインハルトがマリーアンを抱きしめた。
「ぐぇ」マリーアン。
「絞殺しかけてますよ、ラインハルト様」リサ。
「本当にマリーアンか!マリーアンだ!生きてる!神様!」
ラインハルトの目が尋常では無い。髪はグチャグチャだし、衣類も着崩れている。
「はーい、離してー」
リサがラインハルトの首根っこを掴んでマリーアンと引き離した。
ラインハルトから離されたマリーアン。景色を見て仰天した。
備蓄倉庫の地下1階の部屋から出たはずなのに。
地上?空が見える。
地べたにいる。備蓄倉庫自体も無い。瓦礫の山に囲まれている。
???近くにデカい穴が空いてる、、、。
ヘロヘロの中年男達が出てきた。服が焼け焦げていて、見える皮膚は赤黒い。
「生きてたんだー」
とリサがサクサク拘束した。
抵抗する事なく拘束されて横たわる男達。気絶?昏睡?
「コイツラは犯人と接触したはずなので、捕縛して牢に入れておきます」
ニコヤかなリサ。
瓦礫の山の外側がとても騒がしい。
「ドラゴンだー!」と叫び声がしている。
ドラゴン??
「良かったよ、マリーアンが生きてて」ラインハルト。
「あの、どうしてここへ?」マリーアン。
「リサが通信機を持っている」ラインハルト。
「通信機?地下でも?」不思議顔のマリーアン。
「魔導通信機だからな。閉じ込められた時点でリサが知らせた。しかし、オレは王都にいて、間に合うか必死だった」ラインハルト。
「どうやって王都から?」マリーアン。
「アレに乗ってきた」
ラインハルトが親指で指差す。
瓦礫の山の向こうから、白銀の鱗大きな翼を広げてドラゴンがニュッと顔を出した。
「マリーアンのいた『封印』された部屋もアレに掘り出してもらった」
ラインハルト様がドラゴンを、アレ呼ばわりした。
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