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最終話 葉っぱ連続殺人事件(後編)

 遂に明かされた「思いも寄らない」事件の真相と

その裏に隠された 半裸のおぢさんによる恐るべき計画。


  多くの命を犠牲にしながら、一切反省せず

  自らの成果のみを喧伝して悦に入る半裸のおぢさん


   デンボの瞳には「怒りの炎」が灯り

   それは、徐々に激しさを増していった・・


   〈思いも寄らないシリーズ ついに完結!!〉

半裸のおぢさんは自慢気に話を続けた・・・


そして、最終段階だ♪

DNA同士を結合させる為には、ある特殊な苔が必要なのだ。

その栽培促進の為、グランシスの湿度を1000%にしたのだ。


君が「百葉箱」と思っていたのは、我々の気象コントロールマシンだったのだ。

君がココに現れた時はゾッとしたよ。また機械を破壊されるかと思ってね。

何より、あの物質転送装置を破壊されたら、せっかく作ったものを

未来に送れなくなるからね。(フラグ2♪)


半裸のおぢさんの視線の先に、窓の付いた金属製の大きな衣装ケースの様な箱が

鎮座していた。

大人が二人位入れそうな大きさだ。


おぢさんは視線をデンボに戻して話を続けた。


こうも次々と我々の極秘計画に君が絡んでくるとは

本当に思いも寄らない事だったが、結果的に我々は目的を達した。

そう、我々の目的は達せられたのだ!!


君も今の説明で納得いった事と思う。

君の推理は当たっていたかな?


勝ち誇ったように満足気な表情で、半裸のおぢさんはデンボを伺う。


少し間をおいてデンボは口を開いた・・・

デンボ 「ひとつ聞きたい・・・」

おぢさん「何かね?」

デンボ 「キツネは・・・大量のグランシスキツネ達は、どうなった?」

おぢさん「あぁ、あのクローンか、さっき言った通り不要になったので

     全て毛皮にして売ったよ。」

    「それである程度は計画中止の補填出来たがね。流石は絶滅危惧種

     良い値段で売れたよ♪」

デンボ 「ではもう一つ、あのマントは我々の骨密度の高さを確認する為に、

     飛べないと判っていて売ったんだな?」

おぢさん「まぁ、そうだね」

デンボ 「お前等の目的は何だって?」

おぢさん「だから弱くなってしまった未来の人々の体力を取り戻し

     助けてあげる事だよ」


ヴン!デンボの眼の色が変わる!


デンボ 「テメエ等の都合で生み出したクローンキツネを

     不要となれば毛皮にし!

     使えばケガするモノを平気で売り

     そのうえ、湿度まで自分勝手に変えて

     他人様に迷惑かけても反省無し!」

    「そんなテメエに人助けを語る資格は無え~!!」


デンボの眼は怒りに燃えている!


デンボ 「人助けとか言って、未来で金儲けするつもりなんだろう?」

    「この時代の人や動物を踏み台にして!」


おぢさん「な、何を証拠に!」

デンボ 「テメエは商売でやってるから『補填』なんて言葉が出て来るんだろ!」

おぢさん「う、うぅ、え~ぃ!未来に送ってしまえばこちらのモノだ!」


おぢさんは転送ボタンに手を伸ばす


デンボ 「モノはさっき すり替えておいたぞ♪」

おぢさん「ば、馬鹿な!」


っと、おぢさんは転送装置をのぞき込む・・・次の瞬間!

デンボ「ウソだよ~ん♪」

デンボはおぢさんに襲い掛かった。


おぢさんの側頭部に回し蹴り・・から対角線にローキック!

そこから、鉤突き、掌底、肘打ち、鉄槌、ローキック、顎に掌底打ち上げ、

頸動脈に手刀、顔面ひざ蹴り、後頭部に肘打ち下ろし・・・以下略


10分後、おぢさんは転送装置に叩き込まれ、

ボンデが適当に設定した転送先へ送られて行った。


あの特殊な苔と一緒に・・・



落ち着きを取り戻した領都とその周辺を見渡せる丘の上にデンボの姿があった

デンボ (グランシスキツネさん、仇はとったよ・・・)


普通の湿度に戻った心地よい風に吹かれながら

グランシスに平和が戻った喜びをひとり噛み締めるデンボであった。


<後日談>

鬱蒼とした昼なお暗い森の中・・・突然、光りの扉が開いた。

光りの中から出てきたのは・・

「ギッギッ、ゼッダイユルザナイ!」全身苔にまみれた小男だ。

一体、何に対して怒っているのか? たぶん自分でも解らないのだろう。

彼は後に『フォレストゴブリン』と呼ばれる亜人の祖である。

そう、ここは「レスタニア」、「グランシス」とは似て異なる世界・・・


(完)

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