第1章-9
俺はと言うと
両親は今までどちらも働きに出ていたが
割と誰かしらが俺の面倒を見に家に来てくれていたので
家で静かに一人で過ごすと言うことが殆どなかった
しかしスキル名が明らかになったあの日からそれもなくなり
両親も今まで通り仕事には行かなければならないので
産まれて初めて一人時間を使えるようになった
これ幸いと俺は
自分のスキルが一体何なのかを調べたくて仕方がなかったので
研究を始めた
まず
恐らくだが俺のスキルは自発型
勝手にスキルが発動している感覚はないので自動型ではないはずだ
そして僅かだが
スキルが発動する感覚がある
何かしらに何かしらの影響を与えているんだろうと言うことだけが分かる
ただ、結果が全く目に見えない
見えないものなのか
確認できないだけなのか
スキルによっては条件がある
相手に発動するものであれば、そもそも相手が居なければ発動しないからだ
だから俺のスキルは対人ではなさそうだ
物体に影響を与える?
それとも自分に影響がある?
身体を隅々まで確認しても何も変化は起こっていないし
感覚が変わるようなこともなさそうだ
だが確かに発動はしている
発動する際には代償が必要となる
タダでいくらでも発動できるものではないらしい
必要なものは集中力と何かしらのエネルギーだと考えられている
全ての人間のスキルが同じものを必要としているわけではないらしいが
集中は必要なようだ
この集中力は鍛錬によって発動までの時間を短く出来たり
慣れによる簡素化もできる様だ
しかし俺の場合はまず何に集中していいか分からない
物に発動するのであればその物に集中しなければならないし
と言うかどう指向性を与えていいのかが分からない
つまり、温度を上げたいのであれば上げるように集中が必要なわけだ
温度を上げるスキルなのに
その物体に浮けと集中力を費やしても意味がない
ただ念じているだけの滑稽な姿だけが残る
だからスキル表示は必要なのだ
自分のスキルを正確に把握することで
何に対してどう影響を与えたいかをはっきりさせる
これがスキルの発動に必要なはずだが
また、何らかしらのエネルギーが必要というのは
例えば髪を伸ばすスキルがあったとすれば
身体の中に存在する、髪を構成するエネルギーが消費される
簡単に言えば、無限に髪は伸ばせないし
伸ばし続けていると肌がボロボロになったりお腹が空いたりしてくる
となれば髪を伸ばすスキルとは
身体に内在するタンパク質や脂質、水分やメラニン色素などを消費して
強引に髪を伸ばす能力
と置き換えられる
ここら辺が変に物理法則に従っているのは面白い




