第1章-8
予期せぬ結果となった俺のスキル名の一件から早くも1カ月が経つが
目に見えて生活の状況は一変していた
これまで毎日のように訪れていた近隣に住む人達は一切足を運ばなくなったし
野菜や果物をはじめとした
生活で消費されるあれこれの、交換やら頂き物がなくなった
元々、そういったものが全くなくても生活の基盤が緩むほど
両親の稼ぎは悪くない
なので生活が脅かされるようなことは今の所ないが
明らかに二人とも憔悴の色が見える
想像してみればそうだが
これまで俺のことで期待をかけられ
もてはやされ
過度に持ち上げられている生活を続けていた
そんなものがピタッと止まれば
疎外感はあるだろう
それに期待をかけていた分申し訳なさもあるだろう
こちらの家に赴かないだけで
それぞれの家では色んな噂がされていることも容易に予想が付く
大きなプラスがゼロになっただけ
マイナスではないと思うのだが
失った物にばかり目を向けるのが人間だ
立ち直るには少々時間がかかるかもしれない
未だ5歳の俺を
他の子と比べて異様に手のかからないお利口さんに見える俺を
両親は当然だが養っていくだけ働かなければならない
職場にも顔を出しづらいだろう
何を言われているか分からないしな
何も言われてないかもしれないが、それもそれで裏で何か言っているかもと
変に想像してしまうものだ
勝手に悪い方悪い方へと考えてしまう
そんな空気がこの1カ月
ずっと家に漂っている




