第1章-7
逆に有用でないスキルで言うと
自分のくしゃみの音を消すスキル
なんてのもある
これは聞いただけでもほとんど意味をなさないことが分かる
音は消せても唾は飛ぶし、息も出る
音が鳴らないのを良いことに人前で全力くしゃみが出来るかと言うとそうでもないわけだ
さらにエネルギー的にも音の波だけ消えているのか
喉には割と負担がしっかりかかるらしい
身体にも衝撃がくるらしいので
腰を痛めている場合はあまりに大きなくしゃみをすれば
ギックリ腰にもなるかもしれない
そこいらの物理的エネルギーのなんやかやは
スキルの凄さと言うか
きっかり音だけは消えているのに衝撃エネルギーは消えてないことのおかしさは
ここがそういう不思議な力が働く世界であることを証明しているように感じる
さて
このスキルもだが
何も音を消すのはスキルだけの専売特許ではない
ちょっと頑張れば音をさせずにくしゃみは出来る
頭の中で爆発させるように
音も唾も息も出さずに終える人はいるのだ
なのでこのスキルは無用なスキルと言われる
しかしこんなものばかりである
この世界には数多の人間が存在するが
一人として同じスキルを授かることはない
つまり全員が違うスキルを持って生活している
と言うことは
有用なスキルもそれなりに多いだろうが
無用なスキルの方が圧倒的に多いのだ
明るい所でだけ足の爪が光るスキル
石の水切りで回数を1回増やすスキル
鳥の糞に当たらないスキル
拍手の音がより大きく伝えられるスキル
などなど、合ってもいいけど無くてもいい
何なら無い方が良いスキルまである
スキルも自発的に使うことのできるものもあれば
パッシブのように常時発動型もある
なので自分のスキルが私生活で迷惑になっている人も多数存在する
つまり有用なスキルは珍しいし
無用なスキルもありふれている世界なのだ
だから余計に気になった
両親がここまで沈んでいるのはなぜ何だろう?




