第1章-5
息が止まったような静けさで
奇妙なものを見るような
可愛そうなものを見るような
俺は
ああ、こいつ終わったな
と思われているんじゃないかと感じた
数瞬、時が止まったような空気感の後
「ま、頑張れや」
「大変だろうけどスキルが無くても生きていけるわな」
「そうそう、人生これからだろ」
そう言って両親以外はみな、ぞろぞろと教会を後にした
大人だ・・・
もっと罵詈雑言が飛び交うような気もしていたが
考えてみればそうか
別に何か実害があったわけでも、迷惑がかかるわけでもない
単に期待が外れただけ
怒ったりするものでもないのか・・・
少しほっとした自分に気付いて
両親の方に向き直ると
そこには今まで見たことない程に沈んだ表情の2人がいた
その顔を見て喉よりもっと奥の方がキュッとなる様な
胃が締め付けられるような気持になる
申し訳なさ
それと戸惑い
他の人達は割とあっけらかんとしていたと言うか
すぐさま興味を失って去って行った違和感はあれど
そこまで大したことじゃなかったんだなと安堵していたところだったので
ギャップを感じた
両親とその他の大人たちの違いすぎるまでの反応
受け取り方
この世の終わりの様な顔
そんな二人を見ているのがたまらなくなり
声をかける
「お父さん、お母さん?」
2人はこっちを見て
ゆっくりと近付き、抱きしめてくれた
安心間と、やっぱり少しの戸惑い
2人の抱擁は
大丈夫だ、俺達が守ってやるからな
そう言った意味合いが乗っているような気がするほど力強く
どれくらいの時間が経っていたか分からないほど長いものだった




