第2章-10
リアとソラのスキルが発現してからしばらくが経った
そしてほぼ毎日のように夢の中に現れるリア
リアは寝たきりではあるんだが
夜に俺の夢の中に来ている間などはかなり激しい寝相で動いているらしい
と言うことでソラの睡眠が邪魔されないよう
リアは夜の間は別室で寝ることになった様だ
そのおかげか気にしていたほどの運動能力の低下は見られていない
しかし重力を受けて地に足ついて運動するのと
寝床で全身をバタバタさせているのではやはり全く違うので
どうにかスキルの熟練の過程で、四六時中寝ていなくてもよくなるように制御で来てほしい所だ
一方でソラはと言うと
【読心】のスキルの弊害に結構悩まされていた
スキルが発現してすぐは勝手に周囲の心の声を拾っていたようだが
聞こえない時もあるらしい
代償による消費する何かが足りてないために発動出来ていない
のは若干考え辛い
例えば俺のように気絶するとか
極端に腹が減るとかそう言ったものはなさそうなので
自動型ではなく自発型ではなないだろうか?というのがテージさんの見解だ
まだ今は聞きたくなくても心の声を拾ってしまう
その声が心の声なのか、実際の声なのかの判別もハッキリとは出来ないでいる
それゆえ私生活において人の顔色を窺うように
若干臆病になってしまったようだ
ついこの間すれ違った大人の心の声が聞こえてしまったらしいが
その時はその人が何か例えば喧嘩の後だったりで
心の中で酷く悪態をついていたのが聞こえて来たんだろう
心の声は気持ちが強ければ強い程に大きく聞こえてくるそうで
まずそれに驚いたみたいだが
その後に顔を見ると若干くぐもってはいるものの
色眼鏡で見なければ無表情に近い
その心の声と表情の差異が気持ち悪く感じてしまったのと
すれ違う時に簡単な挨拶を交わしたらしいが
それすらも心の声と実際の声色が違い過ぎて気持ち悪さを超えて恐くなったようだ
心の声が聞こえてなければ
なんてことない
ただ単純に近隣に住んでいる人とすれ違いざまに挨拶をしただけのことだったが
ソラにとっては少しトラウマになるくらいの出来事だったみたいだ
ソラもリアもラザさんの血を継いでいるからか
頭が良い
気を遣うところがあるので
テージさんやラザさんにはまだ言えないでいる様だ
事の経緯をリアはソラを通じて察していたのか
俺に夢の中でリアが話してくれた
リアもソラが【読心】で心の声を聞いてるときは
心の声が同じように聞こえる訳ではないが
例えば視線、発汗、動悸などで感情の揺らぎが思っているより伝わるみたいで
この間からソラが一気におかしくなったと相談されて分かったことだった
リアが分かったのはソラの動揺とそのタイミング
原因がすれ違った大人
大人の様子がソラ視点からでは違和感があったように見えた
具体的に言うと
挨拶する前までは怖いくらいに無表情だったのに
ラザさんと一緒に歩いていてすれ違い様の挨拶では途端ににこやかな表情になったから
とのこと
リアもそれには気持ち悪さを憶えたようだ
その話を聞いて俺が推測しているのが今の現状
ラザさんには話していいんじゃないかとは思う
ソラやリアが話していないのは
ラザさんやテージさんがソラを危険視しないか心配しているからかもしれない
そんなことないはずだが
子供は愛されている親から突き放されてしまう怖さを
経験なしで分かっているところがある
パパやママから嫌われたりしないかな?
と内心、無意識レベルで思っているから俺にまず相談してくるんだろうな
だが俺はあの2人の経験を知っている
まず間違いなくテージさん、ラザさんが子供たちを疎遠にすることはない
俺の方からこっそりラザさんに報告しておけばいいだろう
俺ももうすぐ学び舎へ向かう
その準備もほとんど終えているからな
この状態のリアとソラから離れるのは忍びないが
俺も俺とて問題が山積みだからな
人にばっかり構っていられないわけだ




