第2章-8
翌日になり目を覚まして
昨日の心配事が大きく解消したことと
今後の俺の心配が増えたことを理解した
と言うのも
リアの【夢見】のスキルは思っているよりも自由が効くらしく
昨日俺が眠りについたあと
リアが俺の夢の中に現れた
『クロス兄!おーい!クロス兄!!』
リアの声に呼びかけられて意識できるようになる
夢の中で、これは夢だと自覚できたときにある程度自由が効くようなあの状態にさせられた
見回すと、真後ろからニッコリ見上げているリアに気付いた
『クロス兄!ここはクロス兄の夢の中だよ!リア、みんなの夢の中に入れるみたい!』
そう言ってスキルが発現する前のように、俺の周囲を嬉しそうに走り回っている
楽しそうで何よりだが
『リア、夢の中でもまた普通に話せて嬉しいよ!でもみんなが起きている間は皆に会えないだろ?寂しくないか?』
テージさんもラザさんも心配していたことだが
俺もやっぱりそこが気になっていた
『ん~・・・。まだわかんないけど多分大丈夫!ソラを通して見てるから!』
『ソラを通して?』
『そう!ソラだけは起きてる時も話せるし、見てるものが同じように見れるの。ソラのスキルのおかげかな?リアはソラを通して見られるだけだけど、やって欲しいこととか話したいこととかソラと大体一緒だから大丈夫!』
そう言って満面の笑みを見せてくれる
ソラが双子だからか、更に読心のスキルも相まってなのか分からないが
リアが起きている間も割と不自由がなくなりそうなことが分かったのは嬉しい
『もうテージさんとラザさんには言ったの?』
『ん~ん、クロス兄のとこに一番に来たからまだだよ!クロス兄があとで言っといて!』
伝達係かよ俺は
昔から俺にさえ言っとけば上手く伝わることをこの双子はよく理解しているからな
テージさんもラザさんも、俺が付いてれば大丈夫だと安心しきっているのはどうかと思うが
『しょうがないな。リア、夢の中で独りぼっちは寂しいだろ?起きている間遊べない分、今遊ぼうか』
『やったー!でも最初からそのつもりだったもんねー!』
そう言って駆けて行くリアを小走りで追った
さっきまでは真っ白な空間だった様な気がするが
意識を周囲に向けてみると自分たちが屋外にいることに気付いた
あり得ないことが、当たり前のように感じるこの感覚は夢特有のものじゃないだろうか
一瞬で場面が切り替わっても、人が切り替わってもそれはそれとして受け入れるのが当たり前の様な
『クロス兄の夢の中なんだからクロス兄の好きなように出来るんだよ!』
そう言ってリアは俺の周りを飛んでいる
『リアも何でも出来るの?』
『んー、まだ全部はわかんないけどクロス兄に何でもできるよって言ったらリアも出来るようになったよ』
つまりは俺の夢の中では俺が全権を握っているが、俺が出来ると思えばリアも出来ると言うことか?
しかしリアのスキルは使いようによっては恐ろしく有能かもしれないな
リスクに関してはまだ分からないが
こういうことも出来そうだ、ああいうことも出来そうだってすぐ思い付くものだけでも数え切れないほどだ
しかし一応確認だけはしておきたいことがある
『リア!誰の夢の中にでも入れるの?』
少し遠くで笑いながら飛び回っているリアに大きめに声をかける
声を大きくする意味ももしかしてないのか?なんてことを後から思ったりもしたが
『入れないよ、パパとママとソラとロヴィおじさんとクロス兄だけ』
それを聞いてちょっと安心した
『入口みたいなものがあってね、それが誰の夢の入り口なのかわかるんだけど。入口の大きさが違ったり、そもそも入口はあっても入れなかったりするみたい。』
入れると言った5人の夢の入り口に関しては
入口も大きいし近い所にあるらしい
遠い所にある入口や、狭くて通れそうにない入口、まったく開いていない入口など様々とのこと
恐らくは関係性によるんだろう
俺達はリアをほぼ無条件に受け入れているから入口は近いし大きい
物理的な距離もあるかもしれない
しかし例えば今日会った教会の担当者などは
面識はあれど心を許してもらっている訳ではないはずだ
だから遠い所にあるし、入口も狭いか開いてないかするんだろう
『リア、基本的には俺たちの夢にしか入ってはいけないよ?気になるだろうけど、あんまり知らない人の夢には勝手に入ったら危ないかもしれないからね』
『入らないよー。クロス兄の夢に入った方が楽しいじゃん!』
なるほどまあ確かにそれはそうかもしれないが
一旦は心配事が大きく解消されそうなことが分かって安心した
今日の所はとりあえずリアと楽しく夢の中で遊んでみよう
俺が現実で目を覚ますまで
リアと夢の中で遊びまわった




