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俺のスキルが使えない  作者: めん
第2章

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第2章-6

昼前になってリアが目を覚ました

と言っても半覚醒の様な状態で、寝ぼけ眼のままご飯を食べている

1日ずっと起きないということは流石になさそうだが

やはり今後の生活がどうなるか心配だ


リアがご飯を食べ終わり次第

教会に向かって啓示を受けようと言うことになったが

ソラはソラで何やら様子がいつも通りではなかった


明らかに異変のあったリアに皆が注視していたため

ソラの様子に気付くのが遅れてしまったわけだが


顔色を(うかが)ってくる、と言うか

時折耳を塞いで(うつむ)いてしまっている


「ソラ?どうかした?」

声をかけてみると、ハッとしてこちらを見てくる

少し驚いている様にみえるが・・・


「声が聞こえる」

声?誰のだろうか

「どんな声が聞こえるの?」

「みんなの声」

みんな?

それはそうだと思うんだが、言いたいことを上手く伝えられないのか?

「いつもと違う、みんなの声が聞こえるってこと?」

「うん」

何かソラ自身は明らかな違いを感じているみたいだな

「クロス兄がいつもと違う喋り方してる、おとなの人みたいな」


・・・


まさか

心の声か


半信半疑でソラに心の中で呼びかけてみる

『ソラ?聞こえるか?』

「うん、聞こえる」


これは、明らかにマズイな

対人関係を大きく壊してしまう可能性が高いスキルだ

リアも日常生活において相当なハンデを背負ったと言っていいが

ソラは仮に処世術を憶えたとしても本人の精神状態を健全に保つのは困難になるだろう


5歳の双子にこれは相当に酷だ

俺達が守ってやるしかない


「ソラ?」

「・・・うん」

「俺が何を考えているかが分かるんだよね?」

「多分、そう」

「とりあえずお父さんとお母さん、それと俺の父親ロヴィオにだけはしっかり話しておこう。みんな絶対にソラの見方だから大丈夫だ。」

「うん・・・」

不安が増してきたのか涙ぐんでいる


スキルに熟練していけばある程度のコントロールは効くだろう

むしろ5歳で発現という早さで逆に助かったと考えた方が良い

学び舎へ向かうにせよあと5年も時間があるんだ

ここは辺境だし

うちの周辺に近づきたがるご近所さんもいない

リアにもソラにも良い環境が整っていると言える

問題ない、はz・・・いや、無い!問題ない!


チラッと横目でソラを見ると

ソラもこちらを横目で見ていた


ニコッと笑って手を取って

「みんなに話に行こうか!ソラ!」

元気よく声をかけて手を引っ張り、歩き出した


余計なことを考えるとソラに不安が伝わってしまう

極力無心で笑顔を向ける

今はそれだけで良い




大人たちが集まっている部屋に行くと

リアがお腹一杯ご飯を食べたところだったみたいだ

まだ若干眠気がありそうだが

目は開いている


テージさんが

「ソラ、クロス君。リアも準備できたことだし教会へ向かおうか」

「うん!でも先にソラのことについてちょっと聞いてほしいんだ。多分だけどスキルが発現してる。ソラは今、僕たちが心の中で考えていることが聞こえているらしい。だから変なことは考えないで!」


簡潔に言ったつもりだ

頭のいい人たちだ

理解して余計なことは極力少なくしてくれるはず


例えばソラに対して悪感情を持ってしまうとかだ

俺もそれを頭の中で思い浮かべないように努めたが

どこまでソラに伝わってしまうかは不明だ


俺の発現の後

大人達は固まって、黙っている状態が少し続いた


だがちょっとして

「聞こえるよ、お母さん」

ソラがラザさんにそう言った

俺と同じようにして心の中で呼びかけたみたいだ

「お父さんも聞こえるよ。ロヴィオおじさんも」


3人ともが目を合わせて

真面目な顔をして頷いている

良かった

3人とも良い人で、ソラを愛していて、頭の回転は良かったみたいだ


ホッとした俺の方を向いてマジマジと見つめているソラ

きっと

俺の頭の中の人格が違い過ぎてびっくりしているのだろう

あとでソラには個人的にお願いすることにしよう



テージさんとラザさんがソラに近付いてきて

抱きしめている

「ソラ。大丈夫だからな。父さんも母さんもソラのことはずっと大好きだぞ。」

「うん、分かってる」

ようやくソラに笑顔が戻って来た


「では行きましょうか。リアもいつまで起きていられるか分かりませんし」

ラザさんがそう言って本来の今日の目的を思い出させてくれる

ほとんどスキルは判明したようなものだが

改めてしっかりと啓示は確認した方が良いだろう

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