第2章-3
家にいたラザさんにすぐ報告しに行き
翌日には教会へ啓示を受けに行く予定となった
教会へはわざわざ事前に言いに行かなくても良い
管理者は協会の近辺に居住していて
1日に啓示を受ける子供の数はそう多くないからだ
大都市ともなればまた勝手は違うのだが
ここは辺境である
寧ろ1日に2人受けることすら珍しい
俺の時は独特の空気感で異様な盛り上がりだったのを思い出す
持ち上げられ方も変に過ぎていた気もするが
冷めた後の大人たちの反応も、今思い返しても違和感がある
俺の中ではあの日のことは正直あまり思い出したくはないが
どうにも腑に落ちない感じが拭えないままだ
夜には2人が信託を授かった記念として
ささやかにパーティが開かれた
俺と父ロヴィオも招かれて6人でのお祝いだった
リアもソラも嬉しそうにしていたし
大人達3人もニコやかにはしていたが
なんだろうな
微妙に心から祝福しきれていないような
遠慮さ?を感じる気がする
特に父だ
なにかあるのか?
まだ俺が知らないスキルに関連したことが
そうやって不思議そうに父を見ていたら
父と目が合った
何と言うか
バツの悪そうな顔をしている
ちょっとした逡巡のあとに父は俺に耳打ちしてきた
「あとでちょっと話がある」
やはり何かあるようだ
父はそういうとテージさんとまた乾杯をしていた
今は祝福になるべく興じようというスタンスは変わらないらしい
そうだよな
なんにせよお祝い事には変わりない
俺がいくら訝しんだところで何か知れるわけでもないし
ラザさんが張り切って用意してくれた料理を楽しめばいいだろう
パーティが終わり
俺達も家に帰った後に父がやや真剣な顔で話してくれた
「リアとソラはまだ5歳だが信託を授かった。これが世間一般的に早いってのは知ってるな?」
「うん、殆どの子供は8歳か9歳くらいで授かるんだよね?」
「そうだな。10歳になるまでにみんなスキルを1つだけ授かるんだが、5歳になってすぐに授かる子供はすごく珍しいんだ、その理由は分かってないんだがな。クロス、お前も早かったな?」
「5歳の誕生日からわりとすぐに授かったよね」
「ああ、その時お父さんもお母さんも、そして周りの大人たちも皆すごく騒いでいただろう?あれがどうしてか不思議に思ったことは無いか?」
「正直、ずっと不思議だった」
うん、と頷いてから父は一呼吸入れてまた話し始めた
「この世界に同じスキルを持つ人は存在しない。だが、優秀なスキルを持つ親からは子供も優秀なスキルを授かりやすいんだ。逆に言うと、厄介なスキルを持つ親からは厄介なスキルを授かる子供が産まれやすい。父さんのスキルはお前も見ていて結構役に立つのは分かるだろ?母さんのスキルは父さん以上にもっともっと有用で有り難がられていたんだ。それに加えてお前は産まれてから異様に成長が速かったからな、周囲の大人達も『この両親に、この優秀さなら!』って期待が凄かったんだ。だけどな、それは可能性が高いだけで確定じゃない。スキルも使いようだってのはもうお前も分かってる通りだと思うが、周囲へ悪い影響を与えてしまうこともあるんだ。その影響の大きさが、スキルを授かるのが早いか遅いかで決まりやすい。」
つまるところ
早くスキルを授かると周囲への影響が大きいスキルを授かりやすい
親が優秀なスキルを持っていると、子も優秀なスキルを授かりやすい
逆もまた然りということだ




