第2章-2
6歳になってから父には刃物の扱いを教えて貰っていた
刃の入れ方にも角度や強弱、力の入れるタイミングや抜くタイミング
切れ味によっても加減が異なることや
刃の強度や形をしっかり把握することで損耗を減らすことの大切さなど
教えて貰い始めると際限がない
4年間かなりみっちり教えて貰ったが
当然ながら父の境地までには全く達する気がしない
父は直感による理解も多く
上手く説明できない場合も多々あったが
俺は俺で見様見真似でやってみたり
父も教えながら自分で理解したりと
意外とお互いが実のある時間になっていた
結果的に他の人間よりはかなり刃物を上手に扱えるようにはなったと思う
剣術が上達したとかいう訳ではないが
他の人間が真似できない基礎を習得できたと思う
スキルに関してはとにかく集中力を高める鍛錬と
自分と、対象に動きがあっても申し分なく発動できるように今も訓練中だ
大きなものを消すのはかなり抵抗がある
大きめの石を消した時に鳴ったあの『音』が
かなり嫌な予感となって俺に発動を躊躇させるようになってしまった
せめて自宅からは離れた所でじゃないと
何かあってからでは遅い
そう思って大きめの物を消すことはあれ以来やっていない
リアとソラが俺と離れることを許してくれないからな・・・
しかし俺も10歳になった
この世界では10歳になった者は教育を受けることが出来る
俺には正直、基礎教養等は今更必要ないわけだが
とにかく家を長期的に離れる大義名分が欲しかった
と言うわけで
前々から10歳になったら学び舎へ行くよとリア&ソラには宣告しているのだが
俺の年齢が10歳を目前とし始めてからずっと不機嫌が治らない
リア「クロス兄は行く必要ないもん」
ソラ「クロス兄は教える方だもん」
確かにそうなんだが・・・
「2人は俺が何を知らないか、分かるか?」
2人は首を横に振る
「そう、俺も知らない。だから何を知らないかを教えて貰いに行くんだよ。俺達はまだ子供で知らないことがきっと沢山あるんだ。2人だって、全然知らなかったことを俺から教えて貰うのはワクワクして楽しいだろ?俺もそうやって色んな事を知っている人に教えて貰いに行くんだ。だからちょっとの間離れることになるけど、許してくれよな?」
散々これまで説得してきた内容だが
改めてお願いするように2人に言って聞かせる
2人は基本的に甘えん坊に育ってしまったが
聞き分けが悪い子達じゃない
俺があれこれ教えてきたこともあって結構な聡明さ加減だ
だがあまりにも小さい頃から相手をし過ぎた
テージさんより懐いてしまっている始末だ
だから理解はしても納得は簡単に出来ないのだろう
何度繰り返したか分からないやり取りをしていたら
2人が揃ってボーっとし始めた
?
いきなりどうしたんだろう?
突然理解が追い付いた、なんてことはないか・・・
様子を伺っていると
2人が同時に言った
リア&ソラ「スキル!」
信託か!
リアもソラもまだ5歳になったばかりだが
2人揃ってかなり早い信託を受けたようだ
だとすればテージさんとラザさんにすぐに報告して
啓示を受けに行かないとな




