第2章-1
俺は10歳になった
テージさん一家とはあれからずっと仲良くさせてもらっている
リアとソラは俺に懐いて
何処へ行くにも着いて来ようとするので
スキルの鍛錬にちょっと遠出でもしたいなと思っても
中々それを許してはもらえなかった
父からも、ラザさんからも、そしてリアとソラからも
スキルの鍛錬は毎日やっている
主に集中力の度合いの深さと、その深さに達するまでの速さに磨きをかけるように
そのおかげもあってか今では気を失ったり、スキルの発動の感覚がなくなったりはしなくなった
が
不可解なこともあった
俺がスキルの発動に慣れてきたころに
そろそろ結構大きめの物も消してみたいなと
以前は身体から力が抜けてしまった大きめの石
これを消してみようとスキルを発動したときのことだ
これまでは音もなく消えていたものが
バシュン!
と大きめの音を立てて、その石があったところへ引き寄せられるように風が吹いた
その後すぐ息苦しさと眩暈の様なものを感じ
これは流石に危険だと思った
明らかに何かが違った
けど何が違うのかが分からなかった
それからと言うもの
とりあえず好奇心を抑えて、大きめの物はなるべく消さないようにしていたが
やっぱりあれは何だったのかと気になって同じことを2回ほどやってみたが
同じようにはならなかった
以前の通り
ただ音もなく消えただけだった
それ以来俺のスキルについてよく考えるようになった
消すとはどういうことだろう?
物質の存在が消えるのか
消えた後には何も残らない?
だとすれば消えた空間はどうなる?
4年以上の間
俺には少しずつ前世での知識が増えていた
その中に『真空』という概念がある
簡単に言えば空気がない状態
瞬間的にそこに真空が出来れば
その空間に周囲の空気が勢いよく流れ込むはずだ
それが起こった?
と考えれば納得は出来るけど
だとすればこれまでそれが起こらなかったのは何故か?
それにその後やった2回でも真空にはならなかった
何か俺はまだ勘違いをしているんじゃないだろうか?
そう思うと大きめの物を消すのは躊躇われた
怖い
大きめの物を消した時にもしなにかあったら・・・
俺のスキルが使えない




