第1章-27
父と一緒に外に出た
テージさん一家もいるし、物に影響が出ても困るからだ
まずはもう一度
スキルが発動するのかどうかの確認
これまでにやっていた様に無作為に、ほぼ無意識に
スキルの発動だけを意識する
やはり発動の感覚はある
だが何も起こってないようだ
父も少し離れた所から俺をじっと観察してくれていたが
何も変化は起きてないらしかった
次は物に対してスキルを発動してみる
その辺に落ちていた葉っぱだ
乾燥してカサカサしてとても軽そうだ
子供の手の平に乗せても覆い隠せないほどの小さい落ち葉である
これに対してスキルの発動を試みる
とりあえずは対象意識のみで
地面をなるべく綺麗に平坦に
余計なものを取り払って落ち葉を置く
その落ち葉に集中してスキルの発動を試みると・・・
消えた
跡形もない
音もなかった
発動の感覚と同時に目の前から消えた
父の方を見ると
目を見開いて消えた落ち葉の周りを観察しているようだった
ロヴィオ「消えた、な。クロスはどうだ?前は気絶したようだったが今は身体は大丈夫なのか?」
クロス「うん。特に何か変わってないかも」
改めて自己観察してみると
疲れはあるのかもしれない
時間帯もあるだろうが、これがスキルの発動前にあったかどうかと聞かれると分からない
緊張もあったし集中していたのもあった
そして何より、スキルで明確に『消してしまった』ことが
父にどういった感情を持たれるかが気がかりになってしまっている
なので自分の変化に対しては正直な所よく分からなかった
父は俺の返事を聞いてから少し考え、頷いたあと
「よし、今度は落ち葉2枚でやってみよう。今度は連続して1枚ずつだ」
そういってさっきの均した地面に
先程と同じくらいの落ち葉を2枚
ある程度離して置いた
「どっちの葉っぱからでも良いが、左の方からやってみようか。1枚消したらすぐ2枚目もやってみよう。だが無理はするなよ?身体がきつかったり、おかしかったりしたら2枚目は消さなくていいからな」
父は代償の影響を軽んじたりはしていないようだ
俺はどっちかと言えば気絶程度で済むくらいなら無茶しても良いかもと思っていたが
何が代償になっているかもはっきりしてないからな
父の言う様にやってみるのが賢明だろう
先程と同じように落ち葉に集中
左に置かれている落ち葉をまず意識してスキル発動
消えた
すぐさま右にある落ち葉に対しても意識してスキル発動
これも消えた
そして分かった
若干の気怠さがある
父は
「どうだクロス?身体はおかしくないか?」
と、スキルが連続発動したことよりもこちらを気にしている様子だ
「ちょっとだけ疲れるかも」
自分の感覚を正直に伝えたところ
父は
「なるほどな、だとしたら体力や集中力、気力が必要になっていて、それがスキルを発動する間に関係しているのは間違いないな」
「クロス。ほんとに疲れるのは少しだけなんだな?まだスキルは使えそうか?正直に言うんだぞ、ほんとに大切なことだからな」
俺は逸る気持ちもあったがそれとは関係なく正直に
「うん、大丈夫。」
そう言って笑顔を返した
「なら今度はちょっと重い物をやってみようか」
父は石ころを拾ってきた
先程の落ち葉と大きさは同じ程度だが
明らかに質量がある
服の上から肩に乗った程度では気付かないような落ち葉とは比べ物にならないくらいの物質感
不安な気持ちがあるが
どちらかと言うとワクワクする気持ちが強くなっていた
母を消してしまったスキルの癖に不謹慎ではあるが・・・




