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俺のスキルが使えない  作者: めん
第1章

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第1章-21

父の切った原木も木材も高品質で収められるので

お得意様からも重宝されている

そのうち、お得意様それぞれが支援してかなり大規模な保管所を作って提供してくれていた


木は切ってすぐ使えるものではない

生木は大量の水分を含んでいるからだ

そのまま使えば如何に綺麗に切り出していたとしても

建て付けた後に木が乾きだし、木材が(ゆが)

そうすればどんなに精密に水平やら出して建築したとしても崩れてしまいかねない


なので

もうこれ以上はそうそう乾きませんよってくらいに

切り出した木を放置して乾かす工程が必要になる


その長い時間を置くために場所がどうしても必要になるのだ


だからお得意様が木を選びに来られた時に

これは自分が、いや私が、いやいや俺がと

一つの材木を取り合って諍い(いさかい)が頻繁に起きていた


通常こういうことが起きないようにするには

単純に材木の単価を上げればいい

買えるものが買い

買えないものは諦める

なんなら競りが始まってもいいんだが


父はそういった客同士の揉め事管理に関しては不得意だったし

言い合っている間に切り出して在庫を増やそうとした方が良いと言う考えに至り

そして場所が必要になった


別に1本の木を切り出すのに莫大な時間がかかる訳でもないので

木を増やすこと自体にはあまり労力がかからない

切っただけの木を置いておく場所がないので

保管できるだけの木しか切ってなかった

希少価値の理由はそれだけなのだ


と言うことで父にはかなり広大な土地に大きな保管所が与えられていた



だが待ってほしい

運ぶのは誰だ?


そこで母の出番だ

生木は驚くほどに重い

父がいくら切るのが上手くても

保管所へ運び込むのは一苦労だったが、母のスキルで運べば非常に効率的に仕事が進んだ


そして更に

乾いた木をお得意様と一緒に必要な所へ運搬していたのも母のスキルが役に立っていた


母が運搬物を浮かし

母をお得意様が運ぶ


ただし母の本業はそういった運搬業ではない

必要な時に高賃金で駆り出されていただけだった


おそらくだが

父の保管所へ運ぶときに使っていたスキルの全力ほどは

お得意様達など他の人の目の前では出していなかったんだろう

全力でやれるところを見せてしまえば

もっと行けるだろうと無理をさせられるかもしれない

なのでどれくらい力を押さえていたかは分からないが

ある程度の休憩を欲し

ある程度までの重量しか運べないなどと言っていたんじゃなかろうか


父からは母の凄さを教えて貰ったが

スキルとは時に、有用さを人に見せつけると損をすることもあると言う大事な話をしてもらった

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