第1章-2
5歳になって信託を授かった
感覚としては自分に何かが入って来たような
内側から発現したような
ただ気付いただけのような
どれとも取れるし、どれとも言い難い
しかし確かに以前の自分とは違い
出来ることが確実に増えたと実感した
これが噂に聞いていた信託であり啓示
天の神から授けられると信じられている
これを実感してから教会に行くと
管理者の方から儀式を受け
自分のスキル名を見ることが出来る
見ることが出来るのは自分だけであり
頭の中にはっきりと浮かんでくる
儀式は何も、一度きりしか受けられないものではないが
何度受けても結果は変わらないし
2回目以降は管理者へのお布施が発生する
管理者も暇人ではない
ただ、儀式中は何度か表示してくれる
その間に書き写したり
間違いないか確認したりと
ある程度は融通が利く
管理者は儀式の文言の後、信託を授かった人間の頭に手を置くだけなので
手を置いている間は表示され
手を離すと消える
しかし永遠にその状態でもなく
一定時間過ぎると手を置いても表示されなくなる
その場合は再度儀式が必要となるのでお布施が必要になる
この時間は管理者の技量やら経験やら天の神への信仰度やら
色んなものが関係しているらしい
2人同時に出来る管理者も存在するとか・・・
何はともあれ
絶対に信託を授かったと確信した俺は
意気揚々と両親に報告しに行った
両親は当然喜び
期待をかけてくれていた周囲の大人達にも報告してまわり
その日の夜にはパーティが開かれることになった
俺
いや、周囲に吹聴してまわった俺たちは皆を巻き込んで協会に向かい
その瞬間を全員で心待ちにしていた
異様な雰囲気だったと思う
しかし渦中の人間達からはその状況を俯瞰して冷静に見ることは中々に難しい
ここ数日のことではない
何年も前から囃し立てられた結果
期待をかけない方が失礼なまでの空気感が出来上がっていたし
両親も俺もそれが当然の様な気がしていた
教会の管理者も大手を振って歓迎してくれた
待ちに待ったよ、と
君の啓示に携われることを幸運に思う
とまで
そしてついに表示される
俺のスキル
いつもより熱心に、丁寧に、真剣に
それでいて大仰に
盛り上がりを最高潮に持っていくように儀式は進む
普段はさして時間のかかるものでもない
10秒ほどで儀式の文言は唱えられるし
例え、文言などを間違えても割と表示に問題はないし
再度やればいい話だ
しかしたっぷり3分くらいは時間をかけて行われた
周囲は期待に満ちて注目している
別に周りの人間に見える訳でもないのだが
そして管理者は大きな溜めを作って
ゆっくり俺の頭に手を置いた
俺の頭の中に表示されたスキル名は




