第1章-19
「つまりだクロス。スキルは沢山使うことで出来る幅や応用が広がる。そして集中度合いによってもそのスキルの効果が大きく反映される。集中すること自体も回数を重ねることで、長い時間がかかっていたものが短くなるわけだ。」
父が自分のスキルを例に挙げながら詳しく説明してくれたことで、より理解は深まった
「ただしお前のスキルと父さんのスキルでは、発動に必要な代償が違う。」
これまでの楽しそうな雰囲気からは一変して真剣な表情で説明が始まる
「父さんのスキルは単純に発動するかしないか、それは経験や時間が代償となっているな。得物が悪けりゃ硬いものを切るのは簡単ではないし、良ければもっと早い時間で上手に切れる。それだけだ。」
「だがクロス。お前のスキルは自分の身体に負荷がかかるかもしれない、それは熟練度が必要になってくるスキルの成長においてはとても不便だ。スキルをもっと有用に強力に使いたいからと思っても、発動する対象や回数は選ばないとどれだけ自分に返ってくるか分かったもんじゃない。」
「お前は賢い、だがまだ小さい。子供の身体で備えられる体力なんて限界があるんだ。父さんはお前が無理をして何日も目を覚まさないなんてことは嫌だ。分かってくれるな?」
父の真剣な顔にも説明にも俺自身、自分の軽率さを再確認させられた
俺はまだまだ幼い
これはより理解しておかなければならない
父との話し合いで俺のスキルをどう熟練させていくかの方針を決めた
まず、結局は回数や規模の発動限界があることは避けられないので
効率的に、そして安全にするためにも父の前でだけ練習することになった
また、発動限界や出来ることをもっと改めて詳しく検証するためにも
気を失ってしまって効果が確認できないのでは意味が薄れてしまうので、やはり観察者は必要だと言うことだ
それまでは、今までやっていたようなスキルの発動が出来るのか出来ないかの確認作業を毎日やってみて
発動感覚が戻ったら父にその日の内に報告
翌日からスキル検証
と言う流れでやっていくことになった
俺が母を消してしまったとして
それはどれだけの代償を必要としているのかを確認しないことには基準も定められないからな
しばらくは暇な日常を送りそうだ




