第1章-11
目を覚ますと俺はベッドに寝ていた
ベッドの横では父親が椅子に座って寝ている
看病されていたようだ
外はすっかり暗くなっている
俺は確か部屋の真ん中で座ってスキルの発動を試みていたはずだが
あれから結構な時間が過ぎているみたいだ
身体を起こそうとするとすさまじい倦怠感に襲われた
なんというか
気力が保てない
身体を起こそうとするやる気が足りないと言うか
起きたい気持ちはあっても起き上がれるほどの力を入れられない
これが代償か
まだ5歳の身体だ
無理したのもあるかもしれない
父親は気付かないまま良く眠っている
顔色は良くなさそうだが暗がりではっきりとは見えない
幸い寒い季節でもない
椅子で寝こけても風邪は引かないだろう
俺も起き上がることはできないし
このまま身体を休めることにしよう
朝になると父親から声をかけられ起こされた
「おはよう、朝だぞ」
父から起こされることは珍しい
いつもは母が優しく起こしてくれる
寝ぼけ眼で父を見ると、何やら真剣な表情をしている
身体は・・・起き上がれるな
若干まだ倦怠感は残っているが
ほぼ半日以上横になっていたからか
ある程度回復はしているようだった
「お母さんは?」
そう聞くと父親は
「お母さんは昨日から帰ってないみたいでな、これからお母さんの職場に行って聞いてくるからな。お前は心配しなくていいぞ!」
そう言ってにっこり微笑んで頭を撫でてくれる
俺の倦怠感から出ていたのか、表情にニコやかさが足りないのに気づいて父は
「大丈夫だ!ちょっと仕事か何か頑張ってたんだろう。すぐ連れて帰ってくるからな!」
そう言ってさっきよりも強めに、やや乱暴に、それでいて愛情たっぷりにガシガシと頭を撫でて来た
俺はこの父親の、母親にはない若干ガサツな愛情表現が好きだった
俺もにっこり笑って
「待ってるね!」
と返し
父親も
「おう!」
と言って家を出て行った
俺は空腹を感じて台所に行ってみると
父が用意してくれていたのであろうパンとスープ、それに卵料理とサラダを見付けた
父は普通に家事が出来る
共働きはこういった時に助かるものだ
空腹を満たしたあと
俺は気になっていたスキルの痕跡を探した




