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俺のスキルが使えない  作者: めん
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第1章-1

この世界では必ずスキルが一つ、全ての人間に与えられる

スキルは5歳以上10歳までに信託を授かり

啓示が降りて来た人間は、教会で管理者から儀式を受けることでスキル名を閲覧できる


スキル名はその者に最も馴染みのある言語で表示されるため

ほぼ全ての人間が理解することが出来るが

識字率が低い地域や、人間にとってはそれを何らかの手段で書き写し

判別出来るようになるまで時間がかかることもある


俺の場合はどうか・・・


この話はスキルに振り回される俺の物語

自分に異世界で生活した記憶、と言うか知識?

そんなものがあると認識したのは5歳くらいの頃だった


普通の子供に比べて異様に早い言語の習得、身体の使い方、達観した考え方

親や、周囲の大人たちが「天才」と持て囃す(はやす)には充分なだけの習熟具合

それでいて奇妙過ぎない程度に優秀さが目立った


五感、筋力、脳の発達は如何ともし難いが

生後7ヵ月には歩き出し

1歳になる手前には簡単な単語の組み合わせでコミュニケーションをとることが出来た


元居た世界を認識出来るようになった幼子頃に

自分が天才と言われるのは、これが理由なのかと小さいながらに納得していた


そんな幼少期だったからか

周囲の大人たちからは過度な期待を寄せられていた


やれ、とんでもなく有用なスキルを授かるに違いない

だとか

なんならスキルを与える側にもなるような神に近しい存在になれる

だとか・・・


通常、スキルを授かる頃の子供に対しては

周囲の大人はあまり騒がず、どんなスキルであってもいいよ

なんて優しい世界になる雰囲気を作り出すよう努めるのが習慣だった


スキルと言っても千差万別

この世に全く同じスキル持ちは存在しないらしい

と言われるだけあって

内容は多岐に渡る


物体の温度を緩やかに上げるスキル(温度上昇)

一つの音をもう一度完ぺきに再現するスキル(録音)

のような、使いようによっては便利なスキルもあれば


触れた金属を少し錆びさせるスキル(金属酸化)

見て選んだ物の色を反転するスキル(色調反転)

みたいに、少々厄介な方面のスキルもある

これも使いようによっては活躍出来なくはないが、場面が限られ過ぎる


なのでスキルは「授かりもの」

それで人を判断しない方が人間関係は上手くやっていけると

先人達の経験による配慮があった


しかし俺に限ってはそうはならなかった

あまりにも小さい頃から優秀さが目立った


幼子(おさなご)の発達の早さなど

正直言って早いか遅いか程度でしかない

結局100mを10秒切って走れるようになるか?と言われればそうとは限らないし

世紀の大発明となるほど革新的な何かを産み出し、思いつけるかと言われると全然だ


ただ俺にあったのは前世での経験

育ち切ってしまえば平々凡々かもしれない

あまり過度には賞賛して貰いたくなかったなと、今では思う

幼い頃は単純に嬉しかったし、誇らしかった

なにより両親の笑顔が

その時の自分の最大の幸福だったから

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