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僕はテイマー  作者: 鳥越 暁
伯爵昇爵と領内経営
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面会する者達

私はサリナ。パドレオン男爵、もうすぐ伯爵になるユリアス様の妻です。まだ、正式には婚姻式を挙げてはおりませんが、それももうすぐ予定されています。


ユリアス様と「ツチグサレ」というキノコを消しに行って、私自身にも変化がありました。

水の精霊レーテー様と水龍のヤトノリュウ様にアントラーの族長に任命されたのです。


と言っても私の生活に変化はないでしょう。…と思っていたのですが、結構な変化がありました。


まず、種族的にムネアカアントラーはアントラーの一種族というとこらしいのです。そういう種族はたくさんあって、40ほどあるとのこと。それらを含めた族長に任命されました。

同時に、アンフィがアントラー種族の長に、ガディアナはムネアカアントラー種族の長に任命されて、それらの統括として私が位置することになりました。


とはいえ、ユリアス様をお支えする私たちの関係は変わりません。いつもどおりです。


それでは何が変わったのか。

来客が増えました。毎日、訪ねてくるのです。私は職務もありますから、迷惑に思います。


「サリナ様。本日は二人と面会してください」


私の秘書のようなことをする彼女もそうやって訪ねて来た者の一人です。

彼女は真っ先に訪ねてきたツムギアントラー族の長、アルセです。押し寄せてくる来客に閉口していると、彼女がその窓口になるとかってでてくれたので、任せることにしました。


「ありがとう。今日はどんな方が?」


「ホソコシアントラーとイエローアントラーの長です」


「そうなのね。ねえ、いつまでこういう来客が続くのかしら?」


いいかげんに、私はユリアス様の領地経営の仕事に励みたいのですよ。


「44種族の内、私を含めて26の種族長が面会を済ませております。全て来るとして、種族長はあと18人でしょうか」


種族長が18名でも、アンフィやガディアナを訪ねてくる者も多く、私にも会いたがります。アンフィやガディアナが束ねる者達ですから、そう邪険にもできません。結果的に会うことになります。

こんな感じが私達が帰領してから10日は続いているのです。


私はエリナに相談しました。


「貴女もなの? アンフィとガディアナからも同じ相談を受けたわよ」


やはり、彼女たちも困っているようです。


「その人の中から信頼できると思う者とテイム契約して、貴女の代わりを勤めさせなさいよ。既にアンフィは動いているわよ」


なんと、その手がありましたか。テイム契約すれば、(わたくし)の意に背くことはできません。良い手です。

私は本人の意向を聞いた上で、アルセとテイム契約しました。


アンフィは少し離れた「コントラウドの森」のアントラーの女王と契約をしたそうです。ガディアナは残念ながらテイマーのスキルを持っていませんから、ユリアス様を通じて間接テイムという形で一人と契約したようですね。


そうして、煩わしさから解放されます。秘書としてもアルセは優秀なので助かっています。


結果的に私は44種族、1,426群れを統括することになりました。


私はその者達と接する時にしっかりと釘を刺し、意識を持たせます。


「私の(あるじ)・ユリアス様の不利益となることは許しません!」


これは徹底的に叩き込みます。アンフィとガディアナも同じことを徹底しているようで安心しました。やはりファミリーですね。



ブカスの森をユリアス様が開拓することになりました。精霊・レーテー様に森の管理を委託されましたから。

すると、アルセが自分の群れをブカスの森に移住させたいと申し出てきました。


「ユリアス様。どう思われますか?」

「いいと思うよ。サリナのテイムモンスターなら僕も安心だし」


主の信頼が嬉しいです。私はアルセに許可を出しました。開拓をお手伝いして、お役に立つのですよ。


アルセはよく働いてくれます。秘書なのですが、私はユリアス様のもうすぐ配偶者となる立場ですから、はっきりとした役職はありません。エリナを補佐する相談役といったところです。

なので、アルセは情報収集と身の回りの世話をしてくれます。相談の上で私達と同じユリアス屋敷に住んでもらっています。


アルセが補佐してくれているのです。私もお仕事しましょう。

私は私達の婚姻の儀の準備と同時に行われるユリアス様の昇爵のための準備に取り掛かります。来賓、来客に恥ずかしくない服装の準備、警備の配置場所の選定、お出しする料理の決定など色々あるのです。


そういう時間を過ごしながらも、婚姻の儀が楽しみな私です。


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