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僕はテイマー  作者: 鳥越 暁
伯爵昇爵と領内経営
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報告(2)~エリナ~

エリナ姉さんが焦れているという話を聞いて、僕らはすっ飛んで帰領した。


そして、また報告だ。こちらはある程度はサリナやアンフィ達によってアントラーの者達を通じて報告していたので、割合とスムーズだった。


「それにしても、また増えたわねー」


新たに加わった仲間を紹介する。


スネークタイガーのリグネーヌ、マーネール母娘と最終的にサリナの許可を得たニノトーラ(サリナの名付け)。

デーアビントルのプラティーナ。

オーガの少女とその従者3人。


デーアビントルは群れごとだし、確かに増えた。


「まあ、覚悟していたし、仕方ないわね。

それよりも、細部について個々に話を聞くわ」


「うん。それは分かったけれど、横にいる人は誰?」


「そうね。紹介するわ。彼はスティーブン・ネロ。作家よ」


知っている。ベストセラー作家じゃないか。


「彼が今回のツチグサレ消滅の顛末を冒険譚として纏めるの。きっとベストセラーになるわよ。ふふふ」


「ええーっ!嫌だよ!恥ずかしいじゃん! ねえ、みんなもそう思うでしょ!?」


「……」


みんなを見ると、満更でもない顔をしている。

ダメだ。僕は諦めた。


「そのオーガの娘さん。名前の紹介なかったけれど?」

「それなんだけどさ。『ダンダン』って名前なんだ。男性的だし、魔物の感じもするじゃない? だから、僕らで何か考えてあげようと思うんだけれど」


そうなのだ。娘は口数も少ないし意思表示をハッキリとしない。

レーテーの元に連れて行くまではオーガの姿だった。彼女に変化能力はなかったから。レーテーが僕らに同行するならと、人の姿にしてくれたんだ。艶のある白髪の小柄な可愛い少女だ。頭頂部に小さな角があるけれど。


「ふうん。じゃあ、本人が望んで人型になっている訳じゃないのね? それに(テイム)契約もしていないんでしょ?」


前に獣人族とかと契約するのは、あまり良くないと言っていたからだ。一応、本人の意思を確認して連れてきてはいる。無理やりではない。人型になったのだって、本人がレーテーと話をした結果なのだ。


「あのう。私は人型になれて嬉しいです」


「そう?ならばいいんだけれど。それで、貴女はこれからどうしたいの? ユリアスが助けたわけだけれども、私達に危害を加えるつもりがないのならば自由よ」


そうなのだ。僕は保護しただけなのだ。


「ここに居させてもらうことはできますか?」


僕とエリナ姉さん、みんなは顔を見合わせる。


よくよく話を聞くと、行くところがないという。元々の部落は無くなってしまっている。彼女をさらった(僕たちが潰した)オーガ達は奴隷として扱っていたらしい。

そしてそのオーガ達は力で従えたオーク達を操って縄張りを広げていたと。アイーダ草原に現れたオーク達だ。

なるほど、当初の読み通りに僕らはオークの脅威を押さえられたようで何よりだ。


「分かったわ。認めましょう」


姉さんの言葉に一同も賛意を示す。こんな可愛らしい少女を放り出すことなんて出来ない。


「この領に住むからには何かしら仕事をしてもらうことになるけれど、それは追々でいいわ。とりあえず、安心して休みなさい。名前は「ダンローネ」でとうかしら?」


おお、いい名前だ。本人も気に入ってくれたようだから、決まりだ。


「えっと、スネークタイガーの二人はマーベラが面倒みてくれるのよね?」

「了解!」


リグネールはマーベラのテイムモンスターだし、妥当だろう。


「デーアビントルのみんなはどうしようかしらね」


「エリナ。ちょっと聞いたのですけれど、ブカスの森を切り開くのですか?」(サリナ)

「ええ。経緯は後で説明するけれど、そうなるわ」

「それならば、森に住まわせましょう」


これは帰りすがら僕達が話し合っていたことなんだ。


「そうね。その線ですすめるかな」


プティラーナも笑顔で応えていた。


新加入の者達の身の振り方を考えてまとめていく。

少し長くなったので子供達は先に休ませた。


「実はさ。ガディアナ、アンフィ、そしてサリナがね。レーテーさんになんか役職?みたいなのを任命されたんだよ」

「ふうん。どんなの?」

「サリナがアントラー族長、アンフィがアントラー種族長、ガディアナがムネアカアントラー種族長だって」

「なにそれ?」

「僕らもよく分からないの」

「へえ、まあ、その内、分かるんじゃない?」

「そうだね。レーテーさんだから大丈夫だよね」



一通りの姉さんに対しての報告が終わった。



その後、スネークタイガー達はマーベラの直属の配下になる。ダンローネは人里に慣れていないのでエリナ姉さんの元、ギルドの職員として働くことに。デーアビントルはブカスの森の開拓が正式に決まるまでは僕の屋敷に住み、アイーダ草原の花々による蜂蜜作りをすることとなった。

新加入の者達

スネークタイガー族

リグネール……マーベラのテイムモンスター

マーネール……リグネールの娘(人間年齢6歳)

ニノトーラ……リグネールが連れて来た女性


デーアビントル族

プラティーナ……女王.ユリアスのテイムモンスター


オーガ族

ダンローネ……元の名は『ダンダン』.ユリアスが保護.


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