表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕はテイマー  作者: 鳥越 暁
賜爵と授領、開拓
69/147

新加入の者達(1)

 話はアルセイデスの森へ戻ります。

 魔植物採取で大怪我をしたツキシロですが、懸命な治療とユリアスの発想によって復活しました。

 ツキシロが復活したことで、暗かったベースも一気に明るいものとなった。


 そこで改めて仲間となった者達を紹介する。


 僕のテイムモンスターとなった『プラティーナ』。マーベラのテイムモンスターとなった『リグレーヌ』とその娘だ。リグレーヌの娘にまだ名はない。


 それぞれが皆に自己紹介した。


「プラティーナは蜂蜜はお持ちなのかしら?」

 アンフィが聞く。

 プラティーナは『デーアビントル』という蜂の魔物だ。蜂といえば蜂蜜が頭に浮かぶ。

 周りの者も「持っているの?」という顔だ。皆、甘いものが大好きなのだ。


「はい。持っていますよ。召し上がりますか?」


「「「はい!」」」


 何人かが返事をしている。

 プラティーナが蜂蜜を出してくれて、皆が舐めてみた。もちろん、僕もいただいた。


「あれ?」


 思ったほど美味しくない。シムオールで売っている蜂蜜よりは美味しいんだけれど、少し苦みもある。

 周りの者達も微妙な顔をしているので、同様な感想なのだろう。


「なんか、ちょっと苦いです」

 素直な感想をラナ(タカラナ)が。子供は素直だ。


「ああ、それはデスフラワーの蜜が入っているからですね」


 なにそれ!名前からして怖いんだけど!

 プラティーナが言うには、その花の蜜を入れなければ苦みもなくなるらしい。今度作る時はその花蜜は除いてもらうようにお願いしておいた。


「『デーアビントル』はプラティーナだけが人型ですの?」

 

 プラティーナを除くと48匹のデーアビントル。僕とテイム契約したプラティーナだけ人型となっている。サリナとしては幾人かは人型となって、僕を支えるべきだというのだ。

 僕としてはどちらでもいい。デーアビントルとして定期的に蜂蜜を供給してくれた方がありがたいとも思う。

 サリナとプラティーナが話し合った結果、プラティーナを通じた間接テイムモンスターとして二人と契約した。さらにもう一体に僕の魔力を与えて人型にする。

 この時に驚いたのは間接テイムした二人のうち、一人が男性だった。デーアビントルの巣では一定数の雄がいるんだそうだ。雄は巣作りのプロらしい。

 結果的にデーアビントル族は人型4体、ビントル体45体ということになる。

 僕の領地に戻ったら、適した場所を見つけて巣作りするという。


 デーアビントルは人型になっても飛べた。

 今まで、空を飛べたのはサリナだけだったので、これは大きな利点だ。

 戦力としても、連絡手段としても、そらを飛べる者がいると幅が広がる。


「ちょっと、飛んでみてよ。サリナも一緒に」


 プラティーナとサリナに飛んでもらったが、サリナの方が飛翔能力が高い。

 飛翔部隊を作るとしたら、サリナの指揮の元に配した方が良さそうだ。

という訳で、プラティーナの面倒はサリナに任せることにした。



次はスネークタイガーの『リグレーヌ』だ。人型の見た感じは女性戦士のような精悍さがある。マーベラ(真剣な時の)と似ている雰囲気だ。


「どうして、ユリアス様ではなくマーベラ殿のテイムモンスターに? それにマーベラ殿はテイムスキルを持っていましたっけ?」


ガティアナは僕の方をちらりと見ながら問う。なぜ、(ユリアス)の下ではなくてと言いたいのだろう。


「だって、ユリアスのテイム枠いっぱいでしょ? 前にそう言ってたし。リグネールはアタシ達と一緒にいたいって言うからさ」


「うん? 僕はAランクに上がったし、テイム枠も2つ余裕あるよ」

「えっ! いつ!?」

「この森の初日だけど」

「な、なんで教えてくれないのさ!

ごめん!リグネール。すぐにテイム契約破棄するよ。そして、改めてユリアスと契約しな」


僕は確かにみんなに言ってなかったな。でも、聞かれなかったしね。


「あのう。よろしければ、マーベラ様と契約したままでお願いしたいと思います」

「いいと思うよ。マーベラもいいんだよね」

「えっ!アタシはいいけど。本当にそれでいいの?」

「はい。よろしくお願いいたします」


リグネールは直接助けてくれたマーベラに恩義を感じているようだ。僕はその時はマーベラに任せて、他のレッドベアに対していたからね。

マーベラとリグネールの契約はそのままとなった。


「それで、もうひとつの質問に答えていただいてないですよ」


ガティアナが再び問う。テイムスキルのないマーベラが、どうやってテイムしたのかを。


「ああ、それはさ。サリナになってテイムしたんだよ」

「はい?」

「だからさ、こうやって……」


マーベラはまたサリナに変化する。


「「「「えーっ!!」」」


皆が驚いている。そりゃ、驚くよね。

何人かはサリナとマーベラを交互に見ている。


「非常識ですわ」


ガティアナが溜息混じりに言うと、みんなも「うんうん」と首を振った。


「マーベラ様。姿を戻しても契約は有効なの?」


イーナの疑問は皆も思っていたことだ。

マーベラに視線が集中する。


「今も破棄されてないよ。ということは大丈夫ってことでしょ」


僕も疑問だったのでマイムに説明を求めたんだけど。


「えーっ、めんどくさい」


と言われてしまった。

そういえば、レーテー(水の精霊)が、マイムは面倒くさがりっぽいことを言っていた。

僕はマイムが好きだという「魔石飴」を餌に説明を促す。現金なもので、彼女は説明をしてくれた。


「ユリアスとマーベラちゃんは良く似てるから、ユリアスのスキル使えても不思議じゃないよねー」


「「「どこが?」」」


皆が首を傾げるが、僕にはピンと来た。


僕が、いや、マーベラが僕に似ているとすれば、それは魔力だ。

マーベラが瀕死の状態だった時に、僕の魔力を大量に与えて助けたのだ。その影響でマーベラの魔力はほとんどが僕の魔力になっている。きっと、そのことだろう。


「正解!」


「でもさ。アタシ、ユリアスのスキルは何も持ってないよ?」


「だって、契約してないじゃん。してたらさ、特殊なのを除いて幾つかは獲得してると思うよ」


「そうなの!? じゃあ、今からでも……」


「ふふふ。でも、今更、テイムって感じもないんじゃなあい? マーベラちゃんらしいスキルの伸ばし方してるんだからぁ。

なんだったら結婚しちゃえば? 結婚も契約の一つだから、ユリアスの恩恵受けられるよー」


とんでもないことをサラりと言わないで欲しい!




プラティーナのテイムモンスター(僕の間接テイム体)は『プラム』(男性)と 『プラロウ』。

人型になったあと一人は『プラシーラ』。

プラティーナ以外は本編ではあまり出てきません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ