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僕はテイマー  作者: 鳥越 暁
伯爵昇爵と領内経営
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シロクマくんとトレントさん

最近、皆がピリピリしている気がする。

一人では行動させてくれないし、防衛隊も増えたよね。何かあるのだろうか?

聞いても「何もありません。普通です」と言われる。

気のせいなのかなぁ……。



ツキシロが訓練場に来てくれと言う。話があるのだとか。どうして訓練場なのか。

疑問を抱えつつ向かう。


「う、うわっ!?」


そこには3mはある大きな白い熊がいた。

咄嗟に身構える。


「お待ちください!大丈夫です!危険はありません!」


落ち着いて見ると、白い熊は『束縛の魔法陣』で捕らえられているようだ。


「そ、それで話って何かな?」


平静を装って聞く。




なるほど。

スイレンを僕の直接テイムモンスターにしてくれってことね。テイムモンスター枠は空いているから構わない。

ツキシロが人になる可能性があると言う。そうなるだろうな。僕はヴィアラクテの者達くらいまでは人になるんじゃないかと思ってるんだ。


「分かったよ。……それでそこのシロクマくんは?」


今、気づいたけれど、傍に木が生えている。シロクマに気を取られていたけれど非常に不自然だ。そしてその木を中心にやはり魔法陣が……。


「間接テイムしていただけたらと」


えっと、シロクマくんはツキシロのね。木は? トレントなの? あの歩く木の? そうなんだ。そのトレントはスイレンのね。

うん、分かったよ。


ツキシロがテイム契約解消したスイレンとテイム契約をする。その後でツキシロを通じてシロクマくんと。続いてスイレンを通じてトレントと間接テイムする。


シロクマ……魔物名でいうと「スノウベア」とトレントがブーンと一瞬ぶれる。


白髪のがっちりとした背の高い青年と緑色の髪をした色白のスタイルの良い女性が現れる。


あートレントは女性だったんだね。トレント「さん」だね。

トレントさん、頭に葉っぱが付いてるよ。えっ!? 取れないの? そっか、くっ付いててもいいと思う。


中々良い者達だと思う。


「名前付けてあげなくちゃね。きちんと(うじ)名もセットでね」


先日から縁のある者が名付けることになっているので、今回はツキシロとスイレンが名付け親になる。


「そうですね。どんなのが良いのか……」


「シロクマ」

「トレント」


新人二人が同時に言う。


「いやいや。それが名前っておかしいでしょ」


(あるじ)(あるじ)がそう呼んだ。それがいい」


本人達が望んでいても、流石にそれは体裁が悪いだろう。良さげな名を候補に上げても、うんとは言わない。


結局、シロクマくんはシロクマルドに、トレントさんはトレントルニに決めた。それで愛称として「シロクマくん」「トレントさん」と呼んで欲しいそうだ。

僕が接することはあまりなさそうだけれど了承しておいた。ちなみに(うじ)は二人ともアミュレイドになった。スイレンによると「お守り」であるアミュレットから捩ったそうだ。いい(うじ)名だ。


「対外的には姉弟ということにしましょう」(スイレン)


「「分かった(わ)」」


二人ともツキシロ夫妻をしっかりと支えて欲しいな。


せっかく訓練場へ来ているので新人くん達のスキルとかを見てみることにした。



凄かった!


シロクマくんはでかい氷の槍を出して相手にぶつけることが出来たりする(=スキル名:アイスビッグランス)。水属性派生属性の氷属性を持ち、氷の矢(=アイスあろー)や氷の壁(=アイスウォール)なんかも作れる。

トレントさんは地面から太くて硬い根を出して相手を串刺しにしたり(=プラントスキュア)葉っぱを飛ばして切り刻んだり(=リーフカッター)するのだが、威力が高い。木属性と風属性持ちだ。


「二人がいれば、ツキシロ家は安心だね」


そう言うとツキシロ夫妻は複雑な顔をする。大丈夫、彼らの力は安心できるよ。二人ともBランクの上位なんだから。





「私達ではなく、ユリアス様をお守りするためですのに……」(スイレン)

「うん。しかし、黙って頷いておこう」(ツキシロ)

「そうですね」(スイレン)





シロクマくんとトレントさんは軍部の第3部隊に所属するそうだ。今は休んでいるけれど、第3部隊隊長はスイレンだから、上手く使うのだろう。


シロクマくんが加わったことに喜んだのは軍部だ。一般的な兵士達はシロクマくんを指名して訓練の相手をお願いしている。


トレントさんについてはアンフィが大喜びだった。トレントの葉は殺菌作用のある魔法薬の原料となるらしく、クロムと何枚か貰っていた。断れない立場なのだから、あんまり強請らないように言っておこう。


10日ばかりが経った頃、ツキシロが「色々な仕事を経験させようと思います」とシロクマくんとトレントさんを連れてきた。

魔物としての今までの生活とはだいぶん違うだろう。慣れてくれればいいと了承した。


なぜか二人は僕の警護をすることになった。

夫妻は「警護の仕事の経験です」とにこにこしている。

二人のためと言われれば、断れないよね。警護が付くとか、あんまり物々しいのは嫌なんだけれど仕方がない。



ちらっと夫妻を見ると小さくガッツポーズをしていた!?

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