表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕はテイマー  作者: 鳥越 暁
伯爵昇爵と領内経営
109/147

村々からの相談(2)

ルドフランとラトレルの村の産業候補として、ユリーネが提案してくれた酒造り。


どちらかの村に任せるのか、両方の村で取り組むのか。上手くいくならば両方の村でやるのは良いけれど。上手くいかない場合は困る。

片方だけとすると、もう一方の村のことを改めて考えなくてはならないな。


それにユリーネは酒造りにいくつかの懸念点があると言っていた。

まずはそれを聞いてみた。



なるほど。要約すると懸念点は材料の確保だ。


水筒の本体はコシマキダケ。これはあちこちに生えていたりするけれど、まとまって生えているのはメディシナルの森の東部。両村からはさほど遠くない。警護を付けて採取に向かうことは可能だろう。

しかし、その竹林には「バンブートラ」という虎の魔物がいるという。採取時の危険度が増す。


そしてお酒の元(?)となるメンライダの魔石。一粒でどのくらいのお酒が出来るのかまだ分からないが、さほどの量は必要なさそうでもある。

シロコ村のメンライダの駆逐に両村の者達を参加させればいいんじゃないかな。シロコ村にとっても助かるはずだし。そうなればメンライダの魔石の件は何とかなりそうだ。



村々の相談事について、幹部会議で話し合った結果、方針が決まった。


・シロコ村から西の方に学校を建設。詳細は今後決める。


・シロコ村のメンライダ退治を行う。


・ソレステッド、キリーガミロの両村で酒造りを行う。


それぞれに問題点ややるべき事はあるけれど、方向性は定まった。


「それでマーベラ様にお願いがございます」(ユリーネ)


「なあに?」


「マーベラ様のところのお二人をお借りできないでしょうか」


マーベラのテイムモンスターであり、表面上は直属の家臣とされているスネークタイガーの二人のことだ。


なるほど。酒造りの懸念点となっているバンブータイガー絡みだな。


案の定、竹の採取の時にバンブータイガーに攻撃されぬようにしたいらしい。

ならば同じ虎族系の二人に頼めないかとのことだった。


マーベラは快く了承して、直ぐに二人を呼んだ。


「リグネール、ニノトーラ、そういうことだから」


「「はい。お任せください!」」


役目を与えられて嬉しいと言って、直ぐに出ていった。


そこまで急いではいないのだけど、張り切ってくれるんだから良い事だ。


その後はお茶を飲みながら、まったりと雑談を楽しんだ。


「そういえばさ、ここのところイケイリヤの街はどうなの?」


最近はあまり話を聞かない。


「今は街を改造している段階です」(ガディアナ)


改造? なんか気になるけれど、黙っていよう。問題があれば聞かされるだろうし、何も言ってこないということは、順調に統治が進んでいると思うことにした。


「そう、何かあったら言ってね。

ブカスの森街区の方は?」


ツキシロに視線を送る。


「チョコレッタ殿の報告では、特に問題は起きていません。

強いて言うならば、この間、滞在した陛下とお世話なさったグオリオラ公爵が、陛下用の別荘を所望されたことです」


えーっ!? またなの? これで別荘は3軒目か。イブさんからのってことになると断れないだろうしなぁ。


「チョコはなんて言ってるの?」


こう言った場にチョコレッタはほとんど顔を出さない。居心地が悪いらしい。

僕もそうだったけれど、もう慣れた。


「『ブカスの森街区・別荘地区』として線引きし対応するそうです」


「そうか。対応出来るならいいよ。

今更、チョコも断らないと思うから、正式に街区長に任命しようよ」


姉さんを伺い見ると、微笑んで頷いてくれた。きっと、説得もしてくれるだろう。


後の議題はコルメイスの拡張に関してだ。

最近は、また移入希望の者達が増えて来ているのだ。他領で生活に不満のある者達が中心だ。

以前は他領との関係が悪くならないように慎重にしてきた。だけれども、この間のドリアンナ侯爵の件で何か吹っ切れたよ。


身元を確認した上で、移民希望者を受け入れることにする。

また、街造りだな。幸いに土地はあるけれど、人材が不足している。


「そこは人材を育てましょう。こちらの欲する者に」(サリナ)


「そうね。住人、移民希望者を問わず才能のありそうな者を教育するのは面白いわね」(姉さん)


なんか話が難しくなってきた。


「そ、そうだね。上手くやってね」


僕はみんなに丸投げした。





「おいテノーラ。ここはまた発展するな。ユリアス殿に(よしみ)を通じたい貴族も増えるぞ。

その対応はしているじゃろうの?」


「言われずとも。テッテラ殿もここに居るからには協力してもらわねばなりませぬぞ」


「おうよ。そのつもりじゃて」


何故か嬉しそうにテノーラとテッテラはお茶を飲んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ