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黒き冒険者の復讐譚  作者: 社畜大根
1/1

解雇通知

「ルディ、お前はうちのパーティーには要らない…出て行ってくれ」


探求者仲間にこう言われたのはまだ記憶に新しいだろうか、皆んなで何度も酒を酌み交わしたギルドホール…信じ抜いた仲間、探求者として付き物の死線を幾度となく超えたかけがえのない仲間、そんな何よりも大切にしていた仲間から突然の解雇を言われた…理由は簡単「お前より高位の剣士がパーティーに加わる、だからお前はもう不要なんだよ」冷たく言い放たれたその一言は俺の心を打ち砕いた


中心核であるアレスから言われた俺は助けを求めるように他のメンバーに目をやった


口ではきつい事を言いながら影ではいつも応援してくれたリサは気まずそうに顔を背ける


軽口を叩き合ったケヴィンも下を向いたままこっちを見ようとしない


その後は手切金と言われて銀貨の入った小袋を渡されたが無言でアレスの股間目掛けて全力投球してやった事以外覚えていない


それから俺は悶絶するけアレスを尻目に一人寂しく溜まり場となっていたギルドホールを出たやったぜ、今日からニートだ


もう何も信じられない


だから俺はこうする事にしたんだ、信頼関係なんかどうでもいい、主人に絶対に逆らえない存在…奴隷を買い、パーティーを作り上げる事に…そうと決まれば顔見知りの奴隷商を当たる事にした


「おい親父、一人売ってくれ」


いきなり来て何言ってんだという顔をする親父


「おいおいルディ…お前さん何言ってんのか分かってるか?それに仲間がいるだろ、()()()()()()の奴隷を買ってもどう誤魔化す」


「なんで俺が性奴隷を買う話になってるんだ…戦闘目的の奴隷だ」


「はぁ?それこそ意味がわからねぇぞ?お前さんはパーティーにー」


「解雇された」


「は?」


「解雇された」


思いっきり圧を込めてそう言い放った、畜生自分で言ったものの…目から汗が流れ出てきやがる…


「まぁ…なんだ、すまなかったな」


そう憐むような視線を向けるな親父…悲しくなるだろ


「とにかく…奴隷を見せてくれ」


「おう…付いてきな」




ーーーーーーーーーーーー




「ここだ、この檻に集団で入ってる奴隷は一人銀貨3枚、一人ずつ入ってる奴隷は金貨5枚だ」


「…随分と値段に差があるな」


「よく見てみろ、集団で檻の中にいる奴隷は欠損や病気を持つ奴隷が殆どだ、だが個別で檻に入ってる奴隷を見ろ、獣人にリザードマン、果ては吸血鬼まで居る、ただでさえ貴重な種族な上に戦闘力も高い、見た目もそこそこだろう?」


言われてみれば確かにそうか…


俺に蓄えがあるとは言っても、金貨5枚なんて金額おいそれと払うのは難しい…やはり安い方の奴隷か


「…安い方の奴隷を見せて貰おうか」


「はいよ」


そう言うと親父は檻の鍵を開け奴隷の品定めを促した


ふむ…目が潰れている者、手や足が無いもの、疫病にかかり咳をする者、奥には老いて戦闘には参加が出来なそうな奴隷、中には肢体が全てなくなっている少女も居た


んー…流石にあの少女はな…


「あの…私達の中から誰かを買って頂けるのですか?」


奥に座っていた年長の男が語りかけて来た、自分を買ってくれとアピールでもするのだろうか


「…そうだが」


「あぁ…旦那様、どうかお願いでございます、どうか、アスレアを買ってやってくださいませぬか!!」


「アスレア…?」


老人…てっきり自分のアピールにくると思ったが別な奴隷のアピールか…中々余裕があるのか、それとも他に理由でもあるのか?


「ルディ、あそこに寝てる…四肢が全て欠損した少女だ…顔は悪くねぇがいかんせん身体の方が…な、このまま売れねぇと…」


「なるほどな…だがこちらも働けない人間を養うほど余裕は無いんだ」


「旦那様、お願いでございます…どうか…どうか!!」


「…もし、お前さんがこのアスレアを買うなら、この檻にいる奴隷はどれでも銀貨2枚で売ってやる、アスレアは1枚でいい…どうだ?」


「おいおい親父…なんでそんなに勧めてくるんだ」


「実はな…アスレアも先月までは四肢が健在だったんだよ」


「は…?どう言う事だ?」


「アスレアは一度貴族に買われてな…暫くして変わり果てた姿でここに戻って来た」


「……何があったんだ」


大体の察しは付く…それは


「その貴族の歪んだ性壁の玩具にされたって事だ…麻酔もされないまま少しずつ四肢を削り取られ、魔法で失神も許されない、正に地獄のような生活を経験して帰ってきた」


やっぱ、俺の察しは正解か…


「…おい、そこの…アスレアと言ったな」


「っひぃ!?」


これまで俯き、地面に座り込んでいた少女が最初に発した言葉だった


「いい声で泣くじゃん…所でお前さ、生きたいか?」


「っっひぃっぃぃいいいいい!!」


「旦那様!!アスレアは心が壊れてしまっておりますじゃ!!どうか虐めてやらないでくださいませ!!」


「黙れ爺、俺はアスレアと話をしている」


「そ…そんなの…話ではないではないですか!!」


「あ?買うかどうか決めるのは俺だ、お前らじゃねぇ」


「まぁまぁ落ち着けルディ…アスレアを買ってくれるなら高い方の奴隷も金貨2枚でいい、かなり得だろう」


「…わかった、この少女と高い方の奴隷も1人買おう、檻を見せてくれるか?」


この作品が面白いと思ったら、ブクマ、評価、感想などいただけたら嬉しいデス!

別作品で欠損奴隷を代にしたものもありますがどちらを進めるかポイントで決めます

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