桜をカメラに収めたら…?
どうも
「きれいだな…」
ふと声が漏れる。
照りつける太陽とそれに対抗するように涼しい風。
そして春ならではといえる両側に咲き誇った桜。
美しく咲き誇った桜は今しか見れないため写真に残しておこうと思い、ポケットからスマホを取り出す。
「おはっよーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
突然の後ろからの声に驚いてしまい、スマホを落としそうになるが間一髪のところでキャッチ。
あぶねぇあぶねぇ…
「いきなり後ろから話しかけないでくれよ。美咲…」
彼女は同じ中学だった 君白 美咲。
天真爛漫でテニス部のエース。
薄い茶色の髪の毛に、すらっとしたスタイル。
顔もクラスで四番目くらいの可愛さだと思う。
つまりそこそこ可愛い。
「同じ進学先、良介しかいないらしいし高校でもよろしくね!!」
「ああぁ…よろし」
まだ言い切ってないのに彼女は走って学校のある方へ向かって行った。
全く嵐のようなうやつである。
しかし、僕は彼女とは中学時代、三年間同じクラスだったため結構仲がいい。
おそらく女性関係では一番仲がいいだろう。
その彼女が僕の通った中学校の中で唯一、同じ高校へ通う生徒だと言うのだ。
一人だと不安もあったが美咲がいるなら、なんとかなる気がしてきてとても心強い。
気を取り直し、僕はスマホでカメラを起動し、満開の桜を写角に収め撮影ボタンを押そうとしたその時。
「は…????」
その時、俺は見たのである。
間違いなくスマホを通して、見たはずなのである。
しかし、スマホを下げ自分の目で見てみると何もないただの桜だ。
見えたとおもったんだけどな。女の子の幽霊。
俺は少し不気味になりもうスマホをかざすことをやめ、校舎へと向かった。
校舎につき靴箱に貼られていた名簿表に目を通し自分のクラスへと向かう。
桜ヶ丘高校は比較的新しくできた高校なため、とてもきれいだ。
食堂に、トレーニング室。防音室やレコーディングスタジオまであるらしい。
すごい。そしてなにより僕がここに進学した理由。
それは図書室である。とても大きくてオシャレで昔のものから最近のものまで揃えている。
すごい。すごすぎる。やったぁ。いえい。
今は自分のクラスへと向かうことを優先しなければならないため、図書館は後で向かうことにしようと、考え自分のクラスへと向かう。
ドアの前まで到着したがどんどん緊張してきた。
友達はできるだろうか。ちゃんと話せるだろうか。不安ばかりだが、それでもここで突っ立ってるわけには行かない。
「よし。いくぞ…!」
教室のドアを開け、僕が今から一年間過ごす教室を見渡し、そして気付く。
俺が先ほど見た幽霊がそこにいるのだ。
「へ…?」
なんで幽霊がここに。
さっきのは幻覚ではなかったのか。
どうしよう。
他の人はまだきていないのか。
そもそもこれは本当に幽霊なのか。
めぐる思考に答えはいつまでもない。
「どうかしたの?」
彼女を凝視していたからか、彼女が俺に反応を示す。
目は大きく、口は薄め。短い黒髪に、信じられないほどずば抜けたスタイル。
しかし僕にはそんなことよりももっと重要視していることがあった。
「幽霊ってほんとにいたんだな…」
「は?」
これが主人公である「高木 良介」と「桜井 乃ノ花」の出会いである。
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