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鋼翼の紅霞  作者: 黒月彼方
第1章-赤色大地編
4/14

爽やかな風

今日はあと1話行けるかな?

「あと1分か」


 左上に表示されている時計を見ながらつぶやく。俺は今ベットの上で横になりながら、SSOのサービス開始を待っている。

 昨日はあれからすぐに寝て、今日に備えていたのだ。だからバッチリ目も覚めているし起きてからダイブ機器のチェックもしたので何も問題ないだろう。


「そろそろいいかな?それでは、いざッ!アクセス。VR!SSOにダイブ!」


 確認ログがでるが速攻でOKする。すると独特の電子音が流れた。視界は1度ブラックアウトし、ついで左端に膨大な数のシステムログが現れる。然して俺の意識は既に大空に広がる星空にあった。

 夜空に輝くは数多の星。それは地球上では見られないだろう空。遠くにある森からすこーし暖かい風が吹くと、地面に生える草がさわさわと動く。


「すごい」


 その景色はあまりに綺麗だった。



〖ピコーン〗


「ん?なんだ?」


 唐突に何もない草原に音が流れる。


〖データ照合・・・黒狐光哉(くろきこうや)様を認識〗

〖これよりキャラクタークリエイトに移行します。SSO内で使用するキャラを作成してください。なお、現実と同じ性別のみしか選択できません。また、体格、身長の誤差は合計3cmまでです。ご注意下さい。〗

〖終了しましたらお声かけお願いします。〗


 どうやらキャラクリのフェイズに移ったようだ。


「キャラクリねー。どうすっかな?」


 ひとまずウィンドウを開いて見ると、それはもう大層な数のパーツがあることあること。全てのパターンを試したら一体何千通りになるのだろうか?鼻の高さや頬骨の凸凹などまで、こちらは細かい数値で調整出来るようになっている。

 あまりに多くて嫌気がするよ。


 よくよく項目をみてみると、必須項目があったのでとりあえずそこだけ埋めていくことにした。



✧✧✧



「こんなもんかね?」



○特性

:キャラのベースとなる要素。それぞれにバフ、デバフがあるが、一概にそうとは言えない。


・脆弱な一撃


○プレイヤーネーム

:ゲーム内で表示される名前。30字以内で決めて下さい。


・クロヤ



 とりあえずこれでいいだろう。

 キャラはほとんど自分のままにした。1から作ってもみたが、上手くいかなかったので結局は自分を元にして作ることになった。色々とパーツを弄ってみたのだけれど、どうにも違和感が残ったので身長だけプラスしておわりだ。

 髪色は変えようかと思ったけれど、日本人たるもの黒髪が魅力であろう。


「すいませーん。キャラクリ終わりましたよー」


〖キャラクタークリエイトの終了を確認しました。決定すると、この先変更することはできません。よろしいですか?〗


「大丈夫です」


〖最終確認を終了〗

〖ログインを開始します〗


 そのアナウンスが流れると同時に周りの景色が目まぐるしく変わる。或は白色の城を見下ろし、或は森の中から大樹を見上げる。


〖ここは地球とよく似た世界。されど同じに在らず。竜種が生息し、神族の末裔が國を造り、モンスターが徘徊する。

 ようこそ。第2の世界、クラシカに。この世界はあなたを歓迎する。ここでは誰もが自由だ。傭兵になるもよし、国を造るもよし。好きに身の振り方を決めればいい。全てはあなた次第だ。この新しい世界に、この新しい世界を、この新しい世界で、己がままに生きろ!全ては自由だ。〗


 周りが白い光で覆い尽くされる。


〖もう一度言う。この世界はあなたを歓迎する。〗




✧✧✧



 最後のアナウンスが終わり白い光が無くなると、爽やかな風が頬を撫でていった。


「ここは…ッ」



 訂正しよう。断じて爽やかな風などでは無い。というか、一瞬でもそう思った自分が恨めしい。


「どう考えても、ここはあかん。」


 思わずエセ関西弁まで出てしまう。なぜなら…


「ここっ!どう考えても人がいるところじゃない!むしろ、悪魔とか魔族とかが居そうなとこッ」


 そう。そこには草が生えておらず、地面はひび割れ、文明の面影はなかった。それどころか、周囲は僅かに赤く染っている。いや、ホントナンデッ!ドウシテッ!



 どうやら、いきなりピンチ?らしい。

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