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鋼翼の紅霞  作者: 黒月彼方
第0章-そうだ。ゲームしよう
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どれにしよう?

 VRダイブ用機器は、昔こそヘッドギアタイプのものしか無かったが、最近ではサイバーグラスタイプやチョーカータイプのものなど、本当に様々な種類がある。

 そして噂程度だが、脳内に直接ダイブ機器をいれるものが開発段階だとか何とか…っと、そんなこと考えている暇があるのなら、さっさとダイブ機器を選ばなければ。


 今日俺が来ているのは家から少し離れた大型の家電店だ。

 もうすぐ夏休みということもあるのかセールが行われており、子連れの客が多いようだ。俺としても、買い物が安く済みそうで万々歳だ。いっその事溜め込んだポイントもはきだしてしまおうか?


 ちなみに、何故わざわざ買い物に来ているのかと言うと、実はVRダイブ機器には合う合わないの個人差があり、それを確かめる意味合いを含めている。最も、ただ単に現物を見て決めたいというのもあった。

 おそらくだが、店に来ている人の大半はそうだろう。現物を見たければ買い物に来て、そう出ないものは宅配に。それが現代の主流だ。一昔前は商品の配送が1日2日かかることはザラにあったそうだが、今は空路でドローンが運んでくれる。よって、配送に半日もかからないのである。



「しっかし、どれにするかな?」


 見た目と、予算と、性能。この3つの条件をクリアするものは……

 だめだ、数が多くて決められない。

あれがいいかな?あっでも、こっちの方がカッコイイな…って高っ!ならあれはどうだ?おっ、安い。安いんだけど、性能がちょっと……

 なんて考えながら、同じ列を行ったり来たりする。


「あの、なにかお困りでしょうか?」


「ん?」


 誰かに声をかけられたのでそちらに視線を向けると、店員さんがいた。どうやら迷っていたのを見かねて話しかけてきたっぽい。


「あぁ、いや、そのぉ、」


「???」


「あっ、ぶ、VRダイブ機器を買おうと思って来たんですけど、種類が思ったよりあって迷ってたんです。」


「あぁそうでしたか。でしたら、こちらはいかがでしょうか?5月に出たモデルでして、より身体への負担が軽く、長時間プレイしても疲れにくくなっております。また、アラームやタイマー、アラートなどもより汎用性が高くなっており、現実での健康的な生活のアシストになりますよ。それに、内蔵電源やメモリーの・・・・・・・・




✧✧✧



「ただいま〜」



 つ、疲れた…。結局帰ってきたのは4時過ぎだった。かなりの時間悩んでいたせいもあるが、何よりも、あの店員がいきなり饒舌に話だし次から次へと俺に商品の紹介をして来たせいだろう。折角午前のうちに出て、早く帰って設定とか済ませようって思ってたのに。

 おかげで昼食を食べられなかったので、今日は早めの夕飯とする。


「げっ」


 冷蔵庫を覗くが、ろくなものがない。しかし!こういう時のために俺は準備をおこたったりはしていないのだ!そう。冷凍庫にはなんと、昨日の余ったご飯が入っているのだ。これをレンチン。そして、同じく冷凍庫より微妙に残った冷凍コーンと冷凍ブロッコリーを、ライスと一緒にフライパンにドーン。これに塩、コショウを適宜入れながら炒めればピラフもどきの完成だ。



「うん。普通だ。」


 ピラフもどきを1人食べながら独り言ちる。所詮は男の料理である。大味になるのは仕方ないだろう。

 1口食べて自らの料理を批評したら、あとはただただ食べる。静かなのも寂しいのでテレビをBGM替わりにつけていると、1つのCMが目をひいた。


〘ついにやってきた?!最新型VRMMO!その名もSSO。この世界はモンスターと戦うのも、プレイヤーと戦うのも自由。仲間を・・・・



「そういや、明日からだったな。」


 あれだけ渋っていたが、何故か今は楽しみにしている。久しぶりの新しいゲームだから浮かれているのかもしれない。


「遠足前の小学生かよ」


 そう言っては見るものの、高まり出した期待を前に俺の思考はズルズル引っ張られて行くのだった。

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