副詞を使ってはいけない
前話の「感情」から書く脚本術⑨が小説に当てはまらない部分も多かったので、自分なりに脚注をつけたような感じですね
類語をどれだけ連想できるかというのは、文章力あるいは筆力とかなり比例しているだろうということは文章を書く人間ならば誰でも痛感していることかと思う。まあ、一般には語彙力に分類される力なのだろうけれど。
というわけでは、物書きになるのならば類語辞典は常に傍らに置いておきたい存在だ。
私の場合は、柴田武、山田進(編)『類語大辞典』(講談社)(www.amazon.co.jp/dp/4061232908)を専ら使用している。
「今時分厚い紙の辞書なんてひかなくても、ネットで検索すれば出て来るよ」という意見もあるだろうが、英和辞典や国語辞典なんかと違って、類語辞典はネットで良いサイトがないというのが現状である。もし本格的な類語辞典を使った経験がない方は、一度図書館ででも分厚い類語辞典を開いてみることをお勧めする。文章を書く人間だったら絶対欲しくなるはずだ。
「スタンドバイミー」、「ショーシャンクの空に」などで有名なスティーヴン・キングは「副詞を使ってはいけない」と言った。これは英語と日本語の副詞の違いを頭に入れて読まないといけない文なのだが(英語では副詞と言えば動詞を修飾する以上の存在ではないし、英語の場合副詞は~lyと表現され、文章として長ったらしくなる)、それでも「副詞を使わないで表現できないか」というのは「否定語を使わないで表現できないか」と同じく物書きが常に頭の中で考えておかなくてはいけない問題である。例えば、「素早く走る」ではなく、「疾走する」という単語が出てくるかどうかの違いは大きい。後者のほうがずっと人間の心理的なスピード感が増すのはお分かりだろう。
まあ、何を言いたいかっていうと、物書きにとって言葉の取捨選択はどこまでいってもきりがない作業だけれど、決して妥協してはいけない部分でもある、ということですね。




