表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

喜劇作家の言うことには

作者: 水野葵

「アリストファネスが言うにはね」


 夕暮れ。学校の屋上。(きし)むフェンス。


「人間は探し求めているんですって」


 はためくスカート。なびく黒髪。踊る白い足。


「半身を。切り離されたもうひとりの自分を」


 空を見上げる。ただ遠い空を。

 見下ろす地上も遠いだろうか。


「でもね、私、気付いたの」


 (いびつ)に響くセレナーデ。

 甘く軽やかに僕の頬を打つ。


「私に半身はいない」


 これは喜劇だ。


 目の前の僕に、きみの半身に、

 きみ自身が気付かないだなんて。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] Twitterから 余韻があって良かったですー! 言葉が美しく、詩的でした。
[良い点] 断片的に語られるからこそ、イメージが少しずつ繋がってくる感覚が心地よかったです。そして美しさがある風景と、シニカルめな語りがめちゃくちゃ好きでした。 これをプロローグ、あるいはエピローグと…
[一言] 読ませていただきました。 美しい言葉たちが並び、青春の1コマが1枚の絵画のように表現されていますね。 でも、彼にとってはツライ1コマかな? それとも、想いが伝わる日が来るのでしょうか? …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ