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私の最後のお話  作者: ヘンリエッタ(俵 佳樹)@よっちゃんとかみあとか
2/5

2話目

2話目です。2話目で私の一生の概要を全て終わります。

その子は気が付きました。

自分が何も持っていない事を、与えられる物全てが冷たい視線である事を、


ある日その子は聞きました。あの子と遊んじゃいけませんと言う友達の親の声を。

その子は聞きました。あの子はいつも悪い事ばかりしかしないと。

その子は聞きました。あの子と遊ぶとあなたは犯罪者になりますよと言う友達の親の声を。


ある日気が付きました。周りに誰も居ないことを、それまで沢山の友達がその子の周りにいて賑わって世界が明るくてなんでもできる気がしたのにいつの間にか誰も居なくなり誰もその子の事を見向きもしない所かその子がまるで世界1の悪者かのように煙たがる姿を。


その子は次第に心にモヤモヤとした何かを溜め込み始めました。


ある日その子がいつも通り学校へ行くと机の上には花瓶が置かれて一輪の花が刺さっていました。


ある日その子がいつも通り学校へ行くと皆が離れて煙たがりました。


ある日その子がいつも通り学校へ行くと皆が悪口を言いました。


ある日その子がいつも通り学校へ行くと聞きました何故その様な事をするのかと。


ある日その子がいつも通り学校へ行くとどつかれたり殴る蹴るの暴力を受けました。


ある日その子が学校へ行くと転校生が来ました。

転校生はその子をかばいそんな事するのはいけないと守ってくれました。


ある日その子が学校へ行くといつの間にか転校生も殴る蹴る等の暴力暴言などを言うようになりました。



その子はいつも通り学校に行きます。それでもその子は笑顔のまま元気に何も気にしないかのようにいつも通りいつも通りいつも通り学校へ行きます。


何故なら家で学校へ行きたくないと言えば何がなんでも登校しろと言われ逆らえば大の大人に殴られたり、


金属製のサラダボールで叩かれたり真っ暗な地下室に全身を縛られて何時間も身動きが取れないまま放置されたり北海道の真冬、


-15度を超える寒さの中半袖短パン裸足のまま雪の中に投げ込まれて家の鍵を掛けられ凍える真冬の空を見上げるくらいならば笑顔のまま元気に学校へ行く方がよっぽど温かったのです。


何年も学校へ通いました。なるべく元気であると思い込み笑顔を貼り付けたまま学校へ


ある日高熱が出て親に今日は休みたいと言ったがなんでも良いから学校に行けと言われました。

学校へ行くとフラフラしながら授業を受けました

いつもと様子が違うその子を見た先生が保健室へ連れて行き体温を測るととても授業どころじゃない温度でした。


その子はそれまでずっと皆勤賞でいつの日か多少はマシになったようだと言われるようになりました。


いつの間にか大切なおばあちゃんが亡くなりました。


いつの間にかとても良くしてくれたら親戚のおばあちゃんが亡くなりました。


いつの間にか両親が別れてました。


片親のままその子は思春期を過ごしました。


その子は理不尽な事には理不尽だと言うようになりました。しかし、周りは全て全て全てその子が悪の元凶かのように扱い続けました。

周りとその子の温度は掛け離れて行きました。


その子はいつの間にか高校生になっていました。


高校生になってもクラスの半分は小中の時と変わりませんでした。


いつの間にかその子にも再び友達の様な物が生まれました。


その子にとって友達はいつか裏切る物になっていました。

その子にとって家はただ帰る場所に、親は私の事なんて見ていない心配なんてしてくれるどころか、要らない物だと感じる様になっていました。


その子にとって世界は全てどうでも良い存在になっていました。


その子に残ったのはただ通常を装う機能のみ残りました、ただ元気で、ただ笑顔を浮かべ、弱みを見せれば一気に食われてしまうと思いながら。


ただひたすら全てに傷つけられるのが怖くて自分を守ろうとして常に平常を装うようになりました。


そんな存在は異常で、異物で、周りからまた遠い目で見られるようになりました。


いつの間にかその子は卒業し、仕事をする様になりました。

その仕事を選んだ理由は単純に何もする気が起きず何も未来に欲しい物など無かったから誘われた仕事をしてみただけなのです。


その仕事は表向きはとても崇高で、みんなの役に立つ仕事でした。


その仕事を続けるのはそこにその子の存在意義があると、その子を職場が欲していると、その子が居ないとダメだと思うようになったからでした。


ある日その子は気が付きました。そこにその子が存在しなくてもその職場は回っていく事に。


その子は急速に熱を失い何も見えなくなりました。

誰にも必要とされていない事に気が付きました。

別にその子じゃなくても大丈夫だと言うことに別にその子が特別必要な訳じゃない事に気が付きました。


その子は世界の全てがどうでも良くなりその職場を離れました。


その子は求めました。その子を欲してくれる存在を、その子が大切だと、その子を一生愛すると言ってくれる人を、


その子はその過程で色んな経験を積みました。


その子は人に愛を分ける仕事もしました。

その子が愛を欲しているのに……


その子は全てがどうでも良いので身体を売りました、毎日毎日見知らぬ男の人を相手にしながら、そこにその子の事を欲してくれる、愛してくれる人を探しながら……


結果その子は本当に全てがどうでも良くなりました。

何もかも全て全て全てどうでも良くなりました。

どうでしょうか?何か感じる事はあったでしょうか?

あまり書き手の感情を入れない様に努力してみました。


大切なのは読み手の皆様がどう思うか、何感じるか、感じて思った上で何を考えるのか、そして何をするのかそれらが書き手のボクにとっては1番大切な事だと思ってます。


これは単純に物語ではなく、どの様に感じたのかを考えて欲しくて書いてます。


文章自体に意味がない訳ではありませんが、私と言う存在がどんな存在だったのか考えて欲しくて、覚えてて欲しくて書きました。

本来の最後の手紙には全く必要な物じゃ無いのですが私の欲望が混ざった結果2話にも及ぶ長文となってしまい申し訳なく感じます。


ここまで読んで下さってありがとうございます。

ここから先は各個人や大切な人達に向けた手紙となっておりますゆえ当てはまると思った箇所のみお読み頂いて結構です。


大変長らくお付き合い頂きありがとうございました。

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