第85話 終業式
それからテストが終わるまでの間、ずっとドキドキしっぱなしだった。
それでも、テスト勉強があるというのはとてもありがたく、なんだかんだで時間は過ぎていった。
期末テストの結果?
えーっと……赤点はなかったよ!
それ以上の詳しいことは、もう忘れてしまいたい……。
「まぁ、うん、おねぇは頑張ったよ」
ってなゆは言ってくれたしね。
ちょっと目をそらされていた気がしないでもないけど。
「それじゃ通知表配るぞ―。
呼ばれた順に取りにこーい」
終業式が終わって、今はLHRの時間だ。
晴れて明日からは冬休み。
そして……今日はついにクリスマス会の日!
場所とかどうしようかな、って考えていたんだけれど。
伊織音先生を誘ったおかげか生徒会長がいるからか、部活動の一つということで部室を使うことが許可された。
表向きは、『冬の天体観測会』ってことにしてあるしね。
「星空ー?
おーい、星空ー?」
今日は終業式とLHRが終わってもまだお昼前なので、一旦家に帰って準備して再集合ということになっている。
準備、と言っても食べ物・飲み物の買い出しくらいだけどね。
あ、プレゼント交換用のモノを忘れないようにしないとだ。
「すばるすばる、おいすばる!」
「ん? マキちゃんどうしたの?」
「あれあれ!」
考え事をしている横からマキちゃんに突っつかれる。
『あれ』……??
「取りに来いって、星空ー?
……よし、取りに来ないなら読み上げるか。
えーっと、数学が……」
「ふぇ……?
あああ! だ、だめー!!!」
慌てて先生から通知表をひったくる。
「あっはっは、冗談だ冗談。
ぼーっとしてるんじゃないぞー?」
「はーい、ごめんなさいー」
……絶対、冗談じゃなかったと思うけど……。
「じゃ、そういうことで。
お前らー、怪我とか事故とか気をつけろよー。
あと……明日明後日は私が見回りなんだから、おとなしくしとけよー!」
「はーーい!!」
◇
「おかーさんただいまー」
「ただいま」
「はい、おかえりー」
家に帰るとお母さんがお昼ご飯を作ってくれていた。
外が寒かったので、暖かいにゅうめんが胃にしみる。
食べ終わって食器を片付けて……集合時間は17時だからまだまだ時間に余裕があるな。
といっても、私となゆの買い出し担当は『お菓子』なのでもう終わってるし、これといってやることもない。
学校でやるから制服だし、何着ていこうか悩むこともない。
う……。
もうなにもやることない、となると途端に緊張してきた。
思い出したように心臓がどくんどくんしだす。
ど、どうしよう……。
「おねぇ、大丈夫?」
なんて考えてたら、なゆに心配されてしまった。
「う、うん……なんか、緊張してきちゃって……」
あの、なゆさん?
その微妙に呆れ顔なのはなんですか?
「……今からそんなんで、大丈夫?」
「だってー……」
「はいはい」
と言うと、ぽんぽん、と頭を撫でられる。
おかしいなぁ、私の方がお姉ちゃんのはずなんだけどなぁ。
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