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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第10章 クリスマス
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第82話 再集合

「クリスマス会?」

 ドアを開けたままの姿で立つミクちゃんが首を傾げる。

 対して、かのちゃんは不思議そうな顔をしつつもするりとこたつに入ってくる。

 そのうえ、

「みく〜〜、寒いからドア閉めて〜〜」

なんて言ってるので、さすがだ。

 とはいえ、片手にパンを持ったまま立ってるのは、なんだか食いしん坊さんみたいだちょっと笑いそうになった。

「……それもそうね」

 みくちゃんも自分でそう思ったのか、少し気まずそうにしながらこたつに入る。

「しかし、ほんと寒いわね」

「だねぇ……」

 そういえば、昨日もかな恵が『公立は石油ストーブしかなくて寒い』って言ってたなぁ。

 うちは冷暖房完備でよかった……部室にはこたつもあるし(クーラーはないから夏は暑いけど)。

 ……じゃない。

 ついついぬくぬくしちゃったけど、みくちゃんに目で『続きを早く』って言われてしまった。


「さっき、マキちゃんには話したんだけど。

 中学の頃の友達とクリスマス会やろう、って言ってたのが色々あって流れちゃってね。

 どうしようかな、って思ってたんだけど、せっかくだしみんなで集まってわいわいしようよ、って思って」

「お~~、いいね~~~」

「そうね、マキとかのんの3人だけなのも飽きてきたしね!」

「はいはい、そうだな、見飽きてきたな」

「……むぅ」

 ミクちゃんの悪態を軽く流すマキちゃん。

 ふふふ、ほんと仲いいな~。


「他にも声かける?

 なゆたちゃんは来るんだよね?」

「ああ、うん、まだ言ってないけどなゆは言えば来ると思うよー。

 元々中学のみんなと集まろうって話はしてたしね。

 あとは……えっと、ケイ先輩、とか?」

 さっきあんな話をしたばっかりなので、ちょっと意識してしまう。

 マキちゃんがニヤニヤしてる気がするけど、怖くて見れない。

「そうだね、部長だしね?」

「そ、そう! 部長だし!」

「??」

 ……本日2回目のみくちゃんの不思議顔をいただきました……。

「そうしたら~、スミカ先輩も呼ぶ~??」

「うんうん」

 生徒会の二人を呼んでおいて、一人だけ声かけないとかしたらすねちゃいそうだし。

 それから、トラ先輩とステラ先輩にも声をかけてみよう、ってことになった頃に、お昼休み終了のチャイムが鳴った。

「全員来れたら、合宿メンバー再び! って感じだね」

 教室へ戻る廊下を歩きながら、マキちゃんが言う。

「……ねぇ、それならさ。

 伊織音先生も呼ぶ?」

「ああ……朝のHRで荒ぶってたもんね……」

 デート的なご予定はない、って言ってたしね。



 放課後。

「――というわけで、クリスマス会をやろうと思うんですけど、先生も来ませんか?」

 HRが終わって、先生が教室を出る前に捕まえる。

「あのなぁ、星空。

 朝、クリスマスは見回りさせられる、って言っただろう?

 当てつけか? 内申点下げるぞ?」

 うっすら涙目で睨まれた……。

「いやいや、そんなんじゃないですって!

 ……そんなにずっと見回りなんですか??」

 このままだと本当に内申点下げられそうなので、そっと伺う。

「クリスマスイブも、クリスマス当日も見回りだよ」

「あ、じゃあ23日は大丈夫ですね!」

「……む、確かにその日は見回りはないが。

 終業式の後も仕事がないわけでは……」

「何時くらいならいいですか??」

 さっきまでのトゲトゲしい雰囲気が少し和らぐ。

 お、このまま押したらいけそう?

「こ、細かいことはわからんが、夕方くらいまでには……。

 というか、わざわざ教師なんぞ呼ばんでお前らだけで楽しんだらいいじゃないか」

「ふふふ、だって一緒に合宿行ったじゃないですか!」

「あ、あれは顧問としてだな……」

「じゃあ今回も『天体観測部クリスマス会』ってことで!」

「それなら仕方がないか」

 仕方がない、とか言いながら顔が緩んでる。

「細かいこと決まったらまた言いますねー」

「お、おお。

 寄り道しないで帰れよー」

「はーい」


 あとは、先輩方にも声をかけないとね!

 ケイ先輩、来てくれるかな……?


いつも応援ありがとうございます★

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