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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第8章 文化祭
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第70話 後夜祭

「以上をもちまして、第33回流星祭は終了いたします。

 ご来場いただきありがとうございました。

 生徒の皆さんは、引き続き校庭にて後夜祭がありますので、ご参加ください」


 夕暮れの空にアナウンスが流れる。

 スミカ先輩の舞台のあと、軽音部のライブを見たり他の展示を見たりしているうちに初日は終わり。

 二日目は、天体観測部できっちりお仕事をしているうちにあっという間にこの時間になっていた。

 準備が大変だったし、あの時は早く終わってー! って思ってたけど、終わってしまうと寂しい。

 あと1日、明日の撤収があるけど。

 学園長の『よく遊べ』方針に従って、文化祭の撤収のための『お片付け日』がまる1日あるのだ。

 今日は後夜祭まで含めてたっぷり遊べ、ということらしい。


「じゃあ、あと望遠鏡を部室にしまったら終わりだね」

 大きな望遠鏡を箱にしまいながらマキちゃんがこっちを見る。

「んーっと……うん、そうだね。

 暗幕とか教室の掃除とかは、明日のお片付け日にやるし、急いでしまわないといけないのは後はそのくらいかな」

 さすがに高価なものを置きっぱなしにしておくわけにはいかないしね。

「おっけー。

 みくー、かのーん、運ぶの手伝ってー」

「はーい」

「おっけ~~」

「あ、私も――」

「すばるは、そっちの小さいカメラをお願い」

「カメラ……? って、これ私のじゃん」

「うん、だから持って帰ってね?」

「そりゃ、持って帰るけど……他に手伝うことない?」

「ないね。

 うちらもこれ台車に乗せて持ってくだけだし、後夜祭行ってていいよ」

「台車に乗らないのは私が持つけど、スバルの手を借りるほどじゃないからね!」

「うんうん、みくと~まきが~~、がんばるから大丈夫~~~」

「かーのーんー?! あんたもちゃんとやるのよ!」

「しょ~~がないな~~~」

「あはは……」

 相変わらず三人は仲良しだなぁ。

 なんか邪魔するのもあれだし、実際やれることもなさそうだしお任せしちゃおう。

「じゃあ、お言葉に甘えて。

 ありがとね!」

「おー!」



 校庭に出ると、ど真ん中に大きなやぐらでキャンプファイヤーが燃え盛っていた。

 ちょうど冷え込んでくる時間だし、暖かくて気持ちいい。

「それではー!

 後夜祭、スタート!!!!」

 朝礼台の上でマイクを持った先輩(放送部の部長さんとのこと)が大きな声で叫ぶ!


「いえーーーい!!!!」


 それに合わせて、そこここから歓声が上がる。


「食べるものはたーーーっぷりあるから、じゃんじゃん食べてねー!!!」


 放送部の先輩の言う通り、キャンプファイヤーの周りにはバーベキュー用のコンロがたくさん並んでいて、横のテーブルには美味しそうな食材がてんこ盛り乗っている。

 脇のテントには、屋台で余った食べ物もいっぱい置いてあって……これはなかなかすごいな。


「あ、おねえ、おつか……むぎゅ」

「なゆ~、おつかれ~~」

 見知った顔を探していたらなゆを見つけて思わず抱きつく。

「ほへえ、くふひい……」

「すばるちゃんすばるちゃん、なゆちゃん死んじゃうよ」

 とんとんと肩を叩かれて見ると、なゆがくったりしてる。

「あ、ごめん!!

 っと、スミカ先輩もいたんですね」

 叩かれた肩の方を振り向く。

「私もいるわよ」

「ケイ先輩っ!」

「……なんか反応違くない?」

「気のせいじゃないですか?」

 だって、ねぇ?


 その後、トラ先輩ステラ先輩とも合流して、比較的空いてるバーベキューコンロの所へ。

 テーブルの上を見ると……お肉の量がすごい。

 おお、鉄の大きな串にささったお肉の塊とか、噂でしか聞いたことがないようなものがいっぱいある。

「何を焼きますか?」

「どれもこれも美味しそうで目移りしてしまうわね」

 ケイ先輩と並んで吟味していると、

「いいから、片っ端から焼いちまおうぜ」

 トラ先輩が串をゴソッと掴んで持っていってしまった。

「ふふふ。

 悩んでいたらいつまでも食べられないわよ」

 そう言うステラ先輩も、お皿にいっぱいお肉を乗せていた。

「……ですね!」


 長いようで短い……いや、やっぱり長かった文化祭がようやく終わろうとしていた。


これにて文化祭編終了です!

来週は番外編の予定です~

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