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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第8章 文化祭
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第66話 本番

今回は、お話の区切りで少し短めです。

「これが、本番なんですね……」

「ええ、そうよ。

 昨日が可愛く見えるでしょう?」


 今日は文化祭2日目。

 ネットのフリーエントリー組も沢山やってくる土曜日。

 確かに、2日目からが本番とは聞いていたけど。

 まさか、朝学校に来る段階ですでにこんなに行列ができているとは……。

 昨日ですらとんでもないと思っていたのに、今日はその倍くらいになってるんじゃないだろうか……。

 なんとなくそんな気もしてたけど。

 スミカ先輩の舞台見に行けなさそうだなぁ。


「まだ、8時前ですよね?

 オープンまで2時間近くありますよね!?」

「すばるん、落ち着いて。

 今日は――」

「よーっす!

 昨日もすごかったけど、今日もとんでもねーなー」

 ケイ先輩が何かを言いかけたタイミングで、トラ先輩が姿を現す。

「おはよう、おケイにすばるちゃん。

 昨日は大変だったわねぇ」

 もちろん、ステラ先輩も一緒だ。

「おはようございます。

 昨日もですけど、この行列なんなんですか?!

 うう、今日もめちゃくちゃ大変そうですー」

「ん? 何言ってんだ? すばるちゃん。

 今日は昨日より楽だろ?」

 ガクッとうなだれる私に、なぜか不思議そうなトラ先輩。

「いやいや、何言ってるんですかー。

 どう見たって昨日より人が多いですよー!?」

 確かに、トラ先輩たちは昨日は別件で外してたから見てないのかもしれないけど。

 昨日より楽、なんてのはありえない。

「だからよー、今日は――」

「おねえ、おまたせ」

「あ、なゆーー!」

 そんな話をしていると、珍しく顔に疲れをにじませたなゆが遅れて到着。

 いつもどおり一緒に家を出たんだけど、バスに乗ろうかってタイミングで定期を忘れてた事に気づいた家に戻ってたのだ。

 いつもなら待つんだけどね。

 準備もあるから先に行って、って言われて別々に来たんだ。

「大丈夫だった?

 なゆが忘れ物なんて初めてじゃない?」

「ん、そうかも……。

 ああでも、今日は少し楽できそうでよかった」

「えー!?

 なゆまでそんなこと言うの!?

 だってこの行列、昨日よりすごいじゃんー!」

「おねぇ……打ち合わせの時、話聞いてなかったでしょ?」

 あれ?

 もしかして、この流れ。

 おかしいのは私ってこと?

 でも、だって、どう見ても昨日より大変そうだ、よ……?

 スミカ先輩だって『明日は助けられないから』って言ってたくらいだし。

 ……あ、スミカ先輩は打ち合わせいなかったよ……。


「ふふ、すばるんらしいわね。

 今日明日は参加人数が多いのはわかってるから、受付とか警備とかでプロの人たちを依頼してあるのよ」

「そうなんですか!?」

「せっかくの文化祭、生徒がみんな楽しめるように、って学園長のはからいなのよ」

「……そういえば、そんなこと言ってた気がしますね」

 うっすら、記憶の彼方だけど……。

「一応、当番で細かいお手伝いはすることになってるけど、基本的にはその方たちがメインでやってくれるのよ」

「なるほど」

 学園長が口癖のように言っている『よく学びよく遊べ』。

 始まるまでの準備はすごく大変で、それは『よく学び』で。

 始まってしまえばとにかく楽しめ! ってのが『よく遊べ』ってことなんだろうな。


「さ、だから今のうちにできる準備は済ませておきましょ」

「はーい」

 今日の当番は午前中だけだから、午後からはゆっくり回れるといいな。

 結局昨日は、屋台めぐりで終わっちゃったしね。

 あ、天体観測部の方のお手伝いもしないと。

 スミカ先輩の舞台もあるし、ふふふ、楽しみっ!


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