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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第7章 夏休みと合宿と
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第51話 早起きと寝ぼけ眼

今回は少し短めです

 翌朝。

 眠い目をこすりながら、なんとか日の出前に起きる。

「おはよう、なゆ~」

「ん、おはようおねえ」

「ケイ先輩は~?」

「お手洗い行ったよ」

「ん~~」

 昨日はしゃぎすぎたせいか、さすがに眠い……。


「おまたせ。

 お、すばるんも起き……起きてるの? これ」

「ふぁっ……起きてますよ~~~」

 一瞬夢の世界に旅立ちかけたけど、先輩の声で目が覚めた。

 うんうん、バッチリ起きたよ、バッチリ……。

「このままだとおねえがサクッと寝そうなので、行きましょう」

「そうね」


 他のみんなを起こさないようにそっと出る。

 今日はちゃんと上着も羽織った。

「おはようございます。

 今日は皆さんお早いですね」

 玄関口では、今日も瀬田さんがお掃除をしていた。

 昨日はバーベキューを仕切ってくれたり、星を見に連れて行ってくれたりしたのに、もう起きてるなんてすごいなぁ……。

「ええ、すばるんが朝焼けがきれいだった、と聞いて」

「なるほど。

 お気をつけていってらっしゃいませ」

「ありがとうございます」


 なゆに手を引かれてビーチを歩く。

 今日は昨日行った露天風呂の方ではなく、逆の東屋の方に向かうことになった。

「もうすぐ日の出かしら」

 時計を見ると……あれ、時計忘れた。

 手を引くなゆの手元を見ると5時40分……ん? あれ?

 なゆってこんな時計してたっけ……?

「どうしたの? すばるん?」

「ふぇ?」

 思ったよりも近い所から聞こえる声に、顔をあげるとケイ先輩がいる……!?

「わっ!」

 ずっとなゆだと思っていた手はケイ先輩のものだった!

 思いがけない事態にあわあわしていると、

「変な子ねぇ……」

と言われてしまった……。

「あぅ、ちょっと寝ぼけてたみたいで」

「もう大丈夫?」

「はい」

 おかげさまで、今度こそバッチリと目が覚めました!


 東屋についた頃にはちょうど日の出の時間になっていた。

「すごいね、おねえ」

「でしょー?」

「これは本当にすごいわね」

「ふふーん」

「……なんですばるんがドヤ顔してるのかわからないけど」

「えへへ」

 昨日よりも少し雲が多い空は、その雲が赤い光を吸い込んだおかげで違ったきれいさがあった。

 突き抜けるような赤もよかったけど、ふんわりと広がるこの感じもいいな。


パシャッ


 せっかくなので1枚。

 この感動をそのままは残せないけど、それでも撮っておきたかった。

「どう? うまく撮れた?」

 デジカメの液晶をなゆが覗きこむ。

「んー、まあまあ?」

 マキちゃんのカメラならもっとすごいのが撮れるんだろうけどなー。

「貸して、私も撮ってみる」

「ん、がんば」


 カメラをなゆに渡して手持ち無沙汰になったので、ビーチチェアの並んでいる方へ。

 ゆっくり明るくなっていくのを眺める。

 贅沢な時間だ……。


 完全に明るくなってからもしばらく、ケイ先輩やなゆと取り留めのない話をしていたら、あっという間に朝ごはんの時間になっていた。

 戻って「朝焼けを見に行ってた」と言ったら、なんで誘ってくれなかったの?! とみんなから怒られてしまった。

 結局、明日はみんなで見に行くことになった……さすがに3日連続超早起きはできる自信がなかったけど……。

 万が一の時は置いていってもらおう。


いつも応援ありがとうございます。

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