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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第7章 夏休みと合宿と
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第49話 プライベートビーチと日焼け止め

水着回だーーー!!!ひゃっほーぅ!ヾ(*・∀・*)ノ

「うーみーだー!!!」

 砂浜の上を、マキちゃん達三人娘が駆け抜けていく。

 水着はあの時買ったもので、マキちゃんはビキニの上にTシャツ、ミクちゃんはタンクトップと短パン(の下にビキニ)、かのちゃんは……まさかあの星条旗柄のビキニを買うとは思わなかった……しかも、上に着てるパーカーはユニオンジャック(イギリス)柄!?

 どこで売ってたの!?


 そのままの勢いで海に飛び込んだ三人を見ながら、私は残りのみんなを待つ。

 なゆはどんな水着にしたんだろう。

 ケイ先輩も……。


「元気だね、あの三人」

「お、なゆ!

 やっと来たねー!」

 声に振り向くと、パーカーを羽織ったなゆが。

「ほれほれー、お姉ちゃんに水着を見せたまえよ~~」

「おねえ……おやじくさい……」

「だってーー」


 結局、最後の最後まで『内緒』ってことで、着替える場所も別々にされてしまったのだ。

 ここまで引っ張られると、そりゃ気になるってもんでしょ。

「あれ、なゆたちゃんまだ見せてないのー?」

「すみか先輩……なんかタイミング外しちゃって」

「あはは、そういうもんかね」

「はい」


 そうこうしているうちに、すみか先輩もやってきた。

 こちらはスポーティな青のビキニだ。

 スラッとしてるからすごく似合ってる。

 あ、羽織ってるパーカーはなゆとお揃いかな?


「なゆー、はーやーくー」

「わかったから、おねえ急かさないで」

「はーい」

 なんか、もじもじしてるなゆが可愛くてつい……。

 って言ったら怒られそうなので黙ってるけど。


「おー!可愛いじゃん!!

 すみか先輩が選んだって言ってたから不安だったけど、これはいいですね!!」

 なゆが着ていたのは、オフショルダータイプの白のビキニだった。

 私のと同じくフリルがたくさんついていて、少し丈も長め。

 お腹周りはあんまり出ていない代わりに肩が出ていて、ちょっぴりセクシーだけど、全体的にとっても可愛い。

「なんか、一瞬けなされてた気がしなくもないけど、ボクの見立てはなかなかのもんだろう?」

「ええ、正直ここまでなゆの魅力を引き出すとは……。

 悔しいけど、私の負けです」

 何の勝負かはわからないけど。

「ふっふっふ、仔猫ちゃん一人ひとりの隠された輝きを見つけるのは、ボクにとっては造作もないことなのさ!」

 きらりん、と謎の爽やかスマイル。

 うーん、なんか素直に褒めたくないけど、残念ながら本当にすごいな。


「あら、まだこんな所にいたの?」

「あ、ケイ先輩!

 おつかれさ……!!!

 うわぁ……」

 どうしても早いうちに確認したいことがあるから、とちょっとだけ作業をしていたケイ先輩たち残りの生徒会チームも合流。

 は、いいんだけど。

 ケイ先輩の水着姿を見た瞬間、私は固まってしまった。

「うわぁ、って何よ!?

 え?そんなに変??」

「あ、いや、違います!!!

 あまりに素敵すぎてびっくりしただけです!!!」

「そ、そう……。

 ありがとう……」

 赤い顔をして俯く先輩。

 ……言ってから、私も顔が赤くなる。

 さすがにストレートに言い過ぎた……いや、ほんとのことなんだけど。


 ケイ先輩の水着は、ホルターネックの淡い緑色のビキニだった。

 ストラップ部分には大きめのフリルがついていて、セクシーだけど可愛らしい。

 腰に巻いたパレオはレースで透けているし、合わせ目は緩くスリットの深いスカートみたいで太ももまで見えている。

 紫外線避けにレースのラッシュガードを着ているけど、透けた感じが余計にセクシーだ。

 ここがプライベートビーチでよかった。

 普通の所だったら絶対ナンパされまくってるよ……。


「これはこれは……ほっほっほ、なんともまぁ眼福ですな」

「じぃ……あんまりエロい目で見るなよ?」

「大丈夫でございますよ。

 私は、ただ見守るのみでございます」

「……ま、いいけどよー。

 なんだかんだで目一杯世話になってるし、好きにしてくれ」

「お待たせしましたわね」

「これはすごいな」


 トラ先輩は黒のビキニだ。

 白のTシャツを腰の所で結んでいるけど、薄手なのでうっすらと透けて見える。

 何の装飾もなくシンプルで、先輩自体が派手なせいで余計なものがないのがむしろいい感じ。


 ステラ先輩は白のワンピース。

 こちらもフリルなどの飾りがなく一見シンプル……なんだけど、お腹の辺りが半分以上開いてる!(縦に半円状にえぐれてる感じ)。

「ステラ先輩……それ、背中ってどうなってるんですか?」

「ん?これ?」

 くるっと振り向いて見せてくれたんだけど……腰までガバっと開いているのが白いレースのラッシュガードから透けて見えた。

 何箇所か紐で繋がっているけど……セクシーすぎてくらくらしてくる。

 その上、白い帽子にサングラス、お肌も真っ白で銀髪なもんだからハリウッド女優も真っ青だ。

 サインでも貰っておこうかな、という気分になる。


 伊織音先生は、意外や意外、真っ赤なビキニ……!!

 え、普段スーツだと全然気づかなかったけど、めっちゃスタイルいい!!

 それに――

「先生……腹筋すごい!」

「お?

 なんだすばる、いい所に目をつけたな。

 筋肉はいいぞ?

 お前も少しは鍛えたらどうだ?

 なんなら指導するぞ?」

「わ、私は大丈夫です……」

 そういえば、何かの時に『趣味は筋トレ』って言ってたのを聞いたことがあったな。

 褒めると喜ぶのはわかったけど、下手に褒めると藪蛇だってこともわかった……。

 気をつけよう。



 プライベートビーチの一角に少し大きめの東屋があって、細々とした荷物を一旦そこに持っていく。

 ゴザを引いた休憩スペースの横には簡単なキッチンもあり、ちょっとした海の家って感じだ。

 沖縄の日差しは結構キツイので、ビーチパラソルをちょっと立てたくらいでは間に合わないんだそうだ。

「じゃ、私はここでのんびり監督しとくから、あんたたちは好きに遊んでおいで。

 あんまり羽目を外しすぎないようにねー」

「私もここでお昼の準備をしておりますので、何かご入用があればお声がけください」

 早速ごろりと寝転んだ先生と、食材を広げてキッチンで準備を始める瀬田さん。

 対照的すぎてどこから突っ込めばいいのやら……。

「あ、じゃあ、なんか冷たい物お願いしようかしら?」

「かしこまりました。

 アルコールもございますが……」

「んー……さすがに、朝からはやめておくわ」

 ……そこは即答してほしいな、先生……。


「では、南国のフルーツを使ったフレッシュジュースをご用意いたします」

「いいですね!

 それでお願いします」

 南国フルーツのフレッシュジュース!!

「あ!それわた――」

「はいはい、すばるんはまず先にこっちねー」

 瀬田さんに「私も!」ってお願いしようとした所で、ケイ先輩に引っ張っていかれる。

 逆サイドにはなゆまで……!

 うう、私もフレッシュジュース飲みたかった……。

「ジュースもいいけど、まずはちゃんと日焼け止め塗らないと。

 あとでいたーーい思いするのは、すばるんなんだからね?」

 口調は諭すようなのに、目が笑ってない……。

 お泊りしたときに「スキンケアやるわよ!」って言われたときの目だ!

 あ、スミカ先輩もおとなしくしてる……うんうん、あの目には逆らえないですよね。


「日焼け止めは、こまめに塗り直すのが大事なのよ。

 SPFの数字が大きいからってウォータープルーフだからって、一日中保つ、なんてことはないのよ?

 逆に、数字が小さいものでもこまめに塗り直せばきっちり効果はあるんだから」

 ケイ先輩の日焼け止め講座を聞きながらヌリヌリとしっかりと塗り込む。

「そういうものなんですねー。

 なんか、強いやつ塗っとけば1日オッケー! みたいなイメージでした」

「春先の日差しがまだ弱いうちはいいんだけどね。

 夏、しかも沖縄みたいに肌を灼き焦がすような太陽の下では、そんなこと言ってたらあっという間に真っ赤になってしまうわよ」

 真っ赤……!

 うひゃー、ヒリヒリどころじゃないんだろうなぁ……。

「あ!

 マキちゃんたち、ぱーっと行っちゃったけど大丈夫かな!?」

「んー……ちょっと怪しいわね。

 すばるん、塗り終わったらちょっと呼んで来て」

「はーい」


 それにしても、この日焼け止めすごい塗りやすいなぁ。

 ベタベタもしないし……ケイ先輩のお母さんの所のものらしいけど、お値段は聞かない方がよさそう……。

「すばるん、こっちおいで」

 だいたい塗れたかな?って思ってたら、ふいにケイ先輩に呼ばれた。

「はい?

 どうしましたー?」

「ちょっとそこ、横になって。

 ああ違う違う。

 うつ伏せね」

 言われるがままに横になる。

 なんだろ?

 ……ん?


ぷちっ


「ひゃっ!?」

「はいはい、うごかなーい」

「で、でも、先輩!?」

 横になった所で、背中の金具を外されてしまった!?

「背中が一番焼けるんだから、しっかり塗らないと」

 あ、そ、そういう……いや、でも!

「だ、だからって、何か予告してくださいよーー!!」

「ふふふ、いきなりやったら驚くかなー?って」

「お、驚くの通り越して、心臓止まるかと思いましたよー!」

「ごめんごめん。

 あ、でも、ほんと背中はちゃんと塗らないとだから、もう少しじっとしててね」

「う、わかりました……」

 ちょっとの時間が永遠に感じる……。


「はい、おしまい」

「あ、ありがとうございます」

 たっぷりと塗ってもらい、金具も留めてもらって終了。

 よかった、まだ心臓は動いてる――どころか、動きすぎてドキドキが止まらない!!

「じゃ、じゃあ呼んで来ますね!!」

 まともに顔が見れなくて、逃げるように出ていってしまった。


 マキちゃんたちを連れ戻った後。

 ケイ先輩に

「私の背中もお願い」

と言われ、さらに心臓が激しく鳴り出したのはまた別のお話……。

 すっごいスベスベだったなぁ……。


いつも応援ありがとうございます!

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新連載もスタートしています。

下のリンクからよろしくっ!

全くジャンル違いの、異世界転生ものっぽいアレです(笑)

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